米国大都市の大気質と衛生を改善
ベイエリア大気質管理区
詳細な排気ガスモデルによりコミュニティの衛生を改善
Citilabsは、道路解析を行い、米国カリフォルニア州ウエストオークランドにおいて、高速道路や重工業地域により大気汚染が最悪のレベルに達している場所を
特定しました。
プロジェクトの主な詳細情報
- プロジェクト: 詳細な排気ガスモデルによりコミュニティの健康衛生を改善
- インフラ成果物: 道路交通における二酸化炭素排出量の解析
- オーナー: ベイエリア大気質管理区(BAAQMD)
- リードエンジニア: Citilabs
- 竣工日: 2017年
ウェストオークランドの道路の状況を詳細に解析し、排気ガスやタイヤの摩耗、道路の粉塵による環境への影響の全容を明らかにしました。 Citilabsは、汚染の影響を最も受けている地域をブロックレベルで特定し、ベイエリア大気質管理区で取り組みの対象を絞った暴露軽減ソリューションを策定できるようにしました。
大気汚染への対処による健康衛生の改善
ウェストオークランドは、周辺の高速道路や重工業工場からの排気ガスの影響を受け、カリフォルニア州の中で大気質が最も悪く、環境防衛基金の調査では、1立方メートルあたり1マイクログラムものブラックカーボンが存在する地域もあることがわかっています。カリフォルニア州公衆衛生局によると、この汚染のために、ウェストオークランドでは喘息、がん、心臓病、脳卒中の罹患率が高くなっています。2017年に州議会は大気汚染暴露の削減を義務付け、ウェストオークランドを最初の対象コミュニティとして選びました。ベイエリア大気質管理区は、排出量を削減し、地域の健康衛生を改善する方法を見つける必要がありました。
排出源の正確な特定
大気質管理区では、排出源を制御する前に、環境正義の支援者や業界の代表者を含むコミュニティの利害関係者と協力して、排出源がどこから来ているのか特定する必要があることを認識していました。混雑した道路や高速道路は、ウェストオークランドで最も可能性の高い大気汚染源の1つでしたが、大気質管理区では、ブロックごとの排出量の変動を説明するために排出量のボトムアップインベントリを作成したいと考えていました。その結果、道路ネットワークに関する詳細で直感的なデータを提供し、車両の数と動きをリンクできるプラットフォームが必要になりました。
ブロックごとの汚染解析の作成
いくつかのオプションを検討した結果、大気質管理区では、排出量インベントリとモデリング解析に必要な詳細な道路テレマティクスを提供できる唯一のソリューションがStreetlyticsであると判断しました。この解析により、各道路セグメントに沿って季節、曜日、時間帯ごとの平均車両数を測定し、車線数、道路の長さ、移動制限、トラックルート、および路面タイプを追跡できました。大気質管理区では、Google Earthからの画像を含む道路の詳細と大気質データを組み合わせて、詳細な排出量インベントリを作成しました。これには、ウェストオークランドの各道路リンクに沿った排気ガス、走行損失、タイヤの摩耗、ブレーキの摩耗、再懸濁された道路粉塵などの情報が含まれます。
がんのリスクを下げる最善の方法の決定
大気質管理区では、データを組み合わせることにより、大気汚染の影響を最も受けている地域を特定する包括的な大気汚染暴露マップを作成し、Third Street、West Prescott、Seventh Streetの近隣が最も大きな暴露を示しました。この解析は対象を絞った暴露低減ソリューションの策定に役立ち、管理区では2030年までに百万人あたりのがんの罹患リスクを最高346人から110人に削減することを目標にしています。さらに、大気質管理区では、道路の排出量解析を拡大して、サンフランシスコベイエリアの9つの郡全体を含めることを計画しています。
インパクト
持続可能で耐久性の高いインフラの整備、および国連の「持続可能な開発目標」の進展に貢献
- 高速道路や工場からの排気ガスを削減することで、ウェストオークランドの大気質を改善
- 2030年までに百万人あたりのがんの罹患リスクを最高346人から110人へと大幅に削減
「(Streetlyticsの)道路テレマティクスデータがなければ、ブロックごとのトラックからの影響はすべての地域で同じになるでしょう。Streetlyticsのデータは、詳細な道路排出量インベントリを作成する上で重要な役割を果たしました」
ベイエリア大気質管理区(BAAQMD)、アドバンストプロジェクトアドバイザ、Virginia Lau氏