困難な地形での大規模な風力発電所の設計

中国のエネルギー移行計画では、発電による二酸化炭素排出量を削減するために、5年計画で化石燃料のエネルギーミックスを4%削減することを目標にしています。その計画を支援するため、TBEA Xi'an Electric Design Co., Ltd.は、龍華廣生敖包風力発電プロジェクトを開始しました。同社は、リング状に配置される、全高108メートルの風力タービンを計画する業務を請け負っていました。また、風力発電基地を経由して近くの変電所まで達する道路を綿密に計画する必要もありました。風力発電基地には、50メガワットの容量と1億1,700万キロワット時の出力が必要です。建設がわずか15か月後に竣工を迎えられるよう、チームは正確な設計を作成する必要がありました。また、設計を可能な限り効率的に保つことに加えて、道路建設コストを最小限に抑える必要がありました。

より適切な現場測量方法の検討

これらの問題に取り組むうえで、TBEA Xi'an Electric Designは、地形測量の実施や地形モデルの作成を従来の方法で行うのは不可能であることに気づきました。そこで、現場の3Dモデルを作成するだけでなく、計画されている道路や変電所もモデリングできるソフトウェアを探し始めました。また、設計を可能な限り正確かつ効率的に保ち、多分野型チームが極めて可視性の高い環境で共同作業できるようにシミュレーションが必要であると考えました。結果として、共同作業が可能な3Dモデリングソフトウェアの導入を決定しました。

3Dモデリングソフトウェアを使用して現場をあらゆる角度から設計

いくつかの選択肢を検討した後、TBEA Xi'an Electric Designは、この複雑なプロジェクトにBentleyのアプリケーションを選択しました。UAVで取得した画像からのデータを使用して、ContextCaptureで3Dリアリティモデルを作成し、風景を直感的に反映して、風力発電施設のレイアウトを最適化できるようにしました。資材輸送の調整には、OpenRoadsを使用して道路設計を行うことで、周囲の植生条件を考慮できました。風力タービンの基礎は高層ビルと構造が似ているため、OpenBuildings Designerが役立ちました。このアプリケーションにより、必要な計算を実行し、設計が地理的条件および風の条件を満たしていることも確認できました。TBEA Xi'an Electric DesignはSYNCHRO 4Dを使用して、風力タービンの吊り上げシミュレーションを実行し、地域の環境に最適なプラットフォームサイズを決定しました。

クリーンエネルギーの実現とともに時間とコストを節約

TBEA Xi'an Electric DesignではContextCaptureの使用により、測量時間が半分に短縮され、精度5センチメートル以内のモデルが得られました。Bentleyのアプリケーションを使用することで、地下施設での干渉チェックとその修正を行い、100件以上の手戻りを防止しました。3D技術の活用により現場設計が改善され、材料費と土工費を380万人民元節約できました。SYNCHRO 4Dのシミュレーションにより、吊り上げプラットフォームが3分の1削減され、材料費の節約とともに、地域の環境にプラスの影響を与えました。この風力発電基地が完成により、クリーンな電力が15万人に供給され、200件の雇用が創出されます。標準石炭の使用を年間3億6,300万トン削減し、二酸化炭素排出量を10億トン削減して、その他の有害ガスの排出も削減することが期待される風力発電基地をTBEA Xi'an Electric Designが開発するためには、Bentleyのアプリケーションが不可欠でした。