2022年の創業者賞
2022年度の創業者賞受賞者の皆さん、おめでとうございます
創業者賞は、Bentley Systemsの創設者が個別に選出し、世界経済と環境の両方を維持しながら世界のインフラストラクチャを進歩・進化させるという使命を持った弊社が感銘した、一部のプロジェクト、個人、および組織に贈られます。
創業者賞
Arcadis
鉄道橋梁設計の自動化
場所: 英国
プロジェクトプレイブック: LumenRT、OpenBuildings、OpenRail、ProjectWise
画像出典: Arcadis
プロジェクト概要
英国の鉄道ネットワーク全体の多分野型の設計サービスを提供しているArcadisは、一般的な歩道橋と横断地下道を改修するためのエンジニアリングソリューションを自動化するプロジェクトを開始しました。プロジェクトのライフサイクル全体を最適化するために、設計プロセスの早い段階で信頼性の高いデータを提供したいと考え、いくつかの技術アプローチを試みました。しかし、それぞれに分野間でのファイルの互換性や連携の問題がありました。Arcadisは、橋梁エンジニアリングワークフローを効率化および自動化するために、柔軟性が高く操作しやすい3Dモデリングソリューションを必要としていました。
Arcadisは、OpenBuildingsとProjectWiseを活用して、典型的な橋梁要素の迅速な3Dモデリングを可能にする一連の自動化技術を開発することで、モデルの生成に要する時間を2週間から数分に短縮しました。オープンな接続環境と操作しやすいインターフェースで作業することでファイル変換の必要性がなくなり、変更管理が最適化され、チーム、関係者、サプライヤが設計の早い段階で関与できるようになりました。より信頼性の高いデータを早期に入手することで、費用の見積もりが改善されると同時に、炭素解析が容易になり、潜在的な建設性の問題を特定できるようになります。この自動化されたソリューションを後続のプロジェクトに展開することで、モデリングにかかる時間を95%削減できる見込みです。
中国公路工程諮詢集団有限公司、中国交通建設ウガンダ支店、ウガンダ国道局
ウガンダのコティド-カボング道路の設計・建設
場所: ウガンダ、コティド、カボング、カラモジャ
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、LumenRT、MicroStation、OpenBridge、OpenRoads、OpenRoads ConceptStation、ProjectWise
画像出典: 中国公路工程諮詢集団有限公司、中国交通建設ウガンダ支店、ウガンダ国道局
プロジェクト概要
ウガンダ国道局(UNRA)はウガンダ北西部の農村の活性化と観光経済の発展に貢献する68.5キロメートルのコティド-カボング道路プロジェクトを立ち上げました。野生の自然保護区に位置するため、このプロジェクトは調査や建設に関する課題が山積みなうえに、厳しいスケジュールの中で多方面との調整も必要でした。UNRAは、プロジェクトチームに英国規格に準拠したBIMのデジタル成果物を提出するよう求めました。チームは従来の設計手法では不十分であることを認識し、全工程を管理できる統合デジタルプラットフォームを必要としていました。
ProjectWise、iTwin、およびBentleyのオープンモデリングアプリケーションを活用して、コネクトデータ環境を構築し、共同デジタル設計を行い、複数のデータ形式を統合して、データ共有効率を50%向上させました。ContextCaptureを使用して、環境保護対象となっているプロジェクト空間の3Dリアリティモデルを作成することで、調査時間を25日短縮し、25万米ドル節約することができました。デジタルソリューションにより、プロジェクト計画の3Dレンダリングが可能になり、視覚化と外部とのコミュニケーションの効率が60%向上しました。
フロリダ州運輸局
数量積算自動化を目的としたORDおよびOBMアイテムタイプリソース開発
場所: 米国、フロリダ州、タラハシー
プロジェクトプレイブック: OpenBridge、OpenRoads
画像出典: フロリダ州運輸局
プロジェクト概要
フロリダ州運輸局(FDOT)は、デジタル化を通じて生産性を確保することを目的に、コスト見積もりと資産管理のためにプロジェクトの数量を文書化することを求める州の要件を満たすべく、標準ワークフローを更新し、新しいデジタルツールを開発するチームを立ち上げました。チームは、項目の種類やレポートの定義など、さまざまな構造数量ツールを設定しなければならない問題に直面しました。新しい数量プロセスを効率化および自動化するために、オープンな統合技術ソリューションを必要としていました。
チームはOpenBridgeとOpenRoadsを選択し、そのアイテムタイプの機能を基盤として、設計ファイルからプロジェクトデータを読み取り、そのデータを処理して道路や橋梁の数量文書に必要なレポートを生成するカスタムアプリケーションを標準化し、構築しました。FDOTの新しいデジタル数量積算マネージャーと数量積算報告ツールは、数量データを自動化および標準化するため、すべての新しい設計プロジェクトや改良プロジェクトの計画表が不要になります。新しいデジタルワークフローでは、プロジェクト数量の文書化に必要な時間と労力が大幅に削減され、年間300万米ドルの節約が見込まれます。
Hatch
iPas ShareCenter
場所: カナダ
ProjectPlaybook: iTwin, ProjectWise, SYNCHRO
プロジェクト概要
世界のトップクラスの設計会社として、Hatchは 150 か国以上でいくつかの複雑なインフラストラクチャプロジェクトを完了しました。大規模のプロジェクトポートフォリオの地位を維持していくためには、プロジェクトデリバリに対する協調的アプローチが必要であることを実感しました。そのため、組織全体で効率性、自足性、コラボレーションを可能にするプラットフォームを作成しようと努力してまいりました。
Hatchは開発者と協力して、統合された情報管理のためのオンラインエンゲージメントポータルであるiPas ShareCenterを作成しました。Hatchがいち早く利用した、BentleyのiTwin Platformに基づくこのポータルでは、組織内の誰もが詳細なレベルのデータにアクセスして、エンタープライズレベルのイニシアチブに協力することで、データ中心のアプローチを実現できます。BentleyのiTwin Platformに加えて、Hatchはレビューと可視化にProjectWiseを、高度な作業パッケージングにSYNCHROを利用しました。Bentleyのアプリケーションを使用してこのポータルを開発することで、Hatchチームのメンバーはサプライチェーンと各プロジェクトに必要なプロジェクト資材をより深く把握できます。このデータ中心のアプローチは、プロジェクトポートフォリオ全体でHatchの時間とコストを節約し、今後も節約していきます。
Italferr S.p.A
RM-FI高速鉄道 – ボラティーノ高架橋の調査
場所: イタリア、トスカーナ、レッジェッロ
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、OpenRail、ProjectWise
画像出典: Italferr S.p.A
プロジェクト概要
アレッツォ-フィレンツェ線沿線にあるボラティーノ高架橋は、全長1,350メートルに及びます。Italferrは、構造物の損傷状況や損傷の可能性を把握することを目的とした構造物モニタリングシステムの開発を請け負いました。しかし、構造物を運用したまま測量したり、取得した膨大なデータを管理したりしなければならないという課題に直面しました。3Dモデルを作成して、構造解析を行い、デジタルリアルタイムモニタリング用のセンサーの最適な配置を決定して、先を見越した管理とメンテナンスを可能にしたいと考えました。そこで必要となったのが包括的なリアリティモデリングとコラボレーション可能なデジタルツインプラットフォームでした。
ItalferrはContextCapture、ProjectWise、Bentley iTwinプラットフォームを活用して、既存の高架橋の3Dリアリティメッシュとデジタルツインを作成しました。Bentleyのアプリケーションにより、モデリング時間が短縮され、橋梁の静的および動的な挙動を解析し、リアルタイムの状態モニタリング用のデジタルセンサーの最適な配置を決定するためのデジタル接続環境が実現されました。このデジタルツインソリューションは、対象を絞った費用対効果の高いメンテナンスを容易にし、10年間にわたり約1,500のインフラ資産を監視して、7,000万ユーロの節約が見込まれています。
JACOBS
Jacobsとハワード大学
場所: 米国、ワシントンD.C.
画像出典: Jacobs
プロジェクト概要
Jacobsは、ハワード大学と提携し、Jacobs Equity and Advancement Program(JEAP)という、黒人のSTEAM(科学、技術、エンジニアリング、芸術、数学)教育へのメンターシップと資金援助を行う奨学金および学生参加プログラムを実施しています。このプログラムは、Jacobsの既存のグローバルなインクルージョン・ダイバーシティ戦略に基づく取り組みであるJacobs' Action Plan for Advancing Justice and Equalityの一環です。
Jacobsは、JEAPプログラムを通じて、BentleyエデュケーションのプロジェクトFOCUS(Fostering Opportunities for Colleges and Universities in STEM)とコラボレーションし、ハワード大学の土木・環境エンジニアリング科に技術支援を行いました。Jacobsが寄贈したノートパソコンにより、土木エンジニアリング科の4年生はBentleyのインフラストラクチャエンジニアリングソフトウェアのトレーニングを受け、そこで学んだことを活かして最終プロジェクトを改善できました。Jacobsの貢献により、学生はBentleyのアプリケーションを通じて技術に触れることができ、次世代のエンジニアがリーダーとして活躍するためのスキルを身につけることができました。
カウナス工科大学
カウナスデジタルツイン
場所: リトアニア、カウナス
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、LEGION、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenCities
画像出典: カウナス工科大学
プロジェクト概要
スマートシティとインフラストラクチャに焦点を合わせたコミュニティの構築、維持、および開発を支援するために、カウナス工科大学は、大学のキャンパスに重点を置きながら、他の組織と協力して都市の構築環境のデジタルツインを開発することにしました。モデリングは時間のかかる作業であったため、チームはデータの取得や処理を高速かつ正確に行えるテクノロジを求めていました。以前のCADベースのアプリケーションは、スピードと相互運用性に欠けていました。そのため、カウナス大学が必要としたのは、複数のソースから収集したデータを迅速に処理できる統合テクノロジソリューションでした。
同大学は、ContextCaptureをOpenCities PlannerおよびiTwinと組み合わせて利用し、都市とキャンパスのリアリティモデルを生成してデジタルツインを構築しました。Bentleyのアプリケーションによって、その地域を正確にモデリングしながら、多分野にわたる統合を速やかに行い、時間を節約できました。このソリューションを使用して、大学の既存インフラストラクチャの仮想ツアーを作成し、MLab建築プロジェクトをデジタル化しました。チームは、iTwinプラットフォームで作業する中で、新しい建物のデジタル表現をライブのIoTデータで拡張して屋内の室温条件を解析し、エネルギー消費の最適化に役立てました。
National Highways
複雑なインフラプログラム – A303のProjectWiseおよびiTwin導入パイロットプロジェクト
場所: 英国、ウィルトシャー州、ソールズベリー – ストーンヘンジ
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin.js、Orbit 3DM、ProjectWise
画像出典: National Highways
プロジェクト概要
A303ストーンヘンジトンネルは、深刻な交通渋滞の緩和とストーンヘンジ世界遺産遺跡の保全を目的とした幹線道路改築計画の一部です。National Highwaysは、情報管理を改善するためのビジネス要件、サプライチェーンプロセス、およびテクノロジソリューションの審査を実施しました。これまで、エンジニアリングデータは部門間で分断されており、National Highwaysはそれらをサプライチェーンを通じて受け取っていたため、データの審査や調査には苦労が伴いました。データの忠実性を維持しながら情報を整理するために、National Highwaysは、エンジニアリング情報をデジタルで管理する必要がありました。
National Highwaysは、A303プロジェクトに関する設計データの交換や管理に、試験的にProjectWiseとiTwinを使うことにしました。この統合されたデジタルソリューションによって、Webでアクセスできる共同作業型のプラットフォームを実現しました。その結果、データ統合プロセスの効率を50%、データ交換プロセスの効率を70%向上させることができました。National Highwaysは、Bentleyのアプリケーションを通じてサプライチェーンのデータをより積極的に使用して、コストやリスクに対する理解を深めました。多くの情報に基づいて迅速に意志決定ができるようになり、建設後の資産からより良い成果を生み出すことにつながっています。
Phocaz, Inc.
高速道路の特性を抽出するCLIP
場所: 米国、フロリダ州、ウェストメルボルン
プロジェクトプレイブック: iTwin、iTwin.js、MicroStation、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: Phocaz、Inc.
プロジェクト概要
フロリダ州運輸局が設計図面から道路の特性をより効率的に抽出して共有できるよう、Phocazは分野を越えてこのプロセスをデジタル化し、自動化するプロジェクトを開始しました。当初はCADベースのアプローチを使用していましたが、時間がかかるうえに限界があり、一部の道路要素について誤った解釈をしてしまうことが判明しました。Phocazは、道路要素を識別し、広範なアクセス性を実現して、データ利用能力を拡張するために、先進技術を統合したいと考え、オープンで使いやすいデジタルプラットフォームを必要としていました。
CLIPアプリケーションの基盤としてiTwinを選択し、機械学習と人工知能技術を統合することで、設計要素を解釈し、さまざまな図面のフィーチャについてレポートできるようになりました。以前は設計図面のレビューを手動で行っていたため、数日かかっていましたが、CLIPを使用して設計データの抽出を自動化したところ、クエリの実行とデータの取得がわずか数秒に短縮されました。Bentleyのクラウドベースのプラットフォームで作業することにより、アクセスが簡素化され、コラボレーションの効率が向上し、分野横断的なデータのサイロがなくなり、設計データが合理化されて、高速道路の保守チームや管理チームが使用できるようになりました。この統合技術ソリューションは、大きな将来性を秘めています。
Quattrone & Associates
マロリーアパートメント – フロリダ州フォートマイヤーズ
場所: 米国、フロリダ州、フォートマイヤーズ
プロジェクトプレイブック: OpenFlows StormCAD
画像出典: Quattrone & Associates
プロジェクト概要
マロリーアパートメントは、フォートメイヤーズにある低所得者向けの集合住宅です。このプロジェクトは建設が進んでいましたが、当初設計された3つの雨水排水構造物のうちの1つから延びている鉄筋コンクリート管(RCP)を既存のマスター雨水排水ネットワークに接続する際に、開発者が矛盾を発見しました。当初提案された改善策は、工期が半年以上遅れ、費用も数万ドルかかるものでした。Quattrone & Associatesは建物全体の雨水排水システムの接続を3つではなく2つに変更することを提案しましたが、すでに購入した配管材料で実現する必要がありました。
Quattroneは、OpenFlows StormCADを選択して、現場の雨水排水システムのレイアウトのモデリングと解析を行い、購入した材料に適合するRCPのサイズと長さを選択できるようにしました。Bentleyの水理モデリングアプリケーションを使用することで、既存の配管をすべて再利用しながら、雨水排水システムを2つの構造物に接続できました。この解決策により、施主と請負業者は、少なくとも1万米ドルを節約し、6か月以上の工期の遅れを回避できました。
SARAWAK ENERGY BERHAD
バクン水力発電所のデジタルツインによるモダナイゼーション
場所: マレーシア、サラワク州、ビントゥル
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenUtilities、PlantSight、ProjectWise
画像出典: Sarawak Energy Berhad
プロジェクト概要
Sarawak Energyは、2025年までのデジタルユーティリティ化を後押しするために、バクン水力発電所でデジタルツインのパイロットプロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、竣工図面が精度に欠けており、アクセスも制限されていたため、インテリジェントな3D発電所モデルを生成するのは簡単なことではありませんでした。ネットワーク速度が遅いこと、データファイルが大きいこと、またサードパーティ製アプリケーションとの互換性もそれに拍車をかけました。同社は、デジタルツインを生成するために、統合された共同作業型のモデリング技術を必要としていました。
同社は、ContextCaptureとMicroStationを利用して、高解像度の3Dリアリティモデルを生成することで、竣工設計図の作成に要する時間を70%短縮しました。Bentleyのオープンな3Dモデリングアプリケーションを統合することで、PlantSightで資産をより的確に視覚化でき、サードパーティ製プラットフォームとのシームレスな統合ができました。デジタルツインソリューションによって発電所のリモート運用を推進することで、オンサイトスタッフの必要性は30%減りました。同社は、デジタルツインをアセットパフォーマンスソリューションと統合することで、運用とメンテナンスのコストが低減することを期待しています。このパイロットプロジェクトの成功は、発電所の信頼性と効率性を高めるためにデジタルツインが不可欠であることを示しています。
Silo AI
Silo AIのパイプラインシステム最適化のためのフロー
場所: フィンランド、ウーシマー、ヘルシンキ、
プロジェクトプレイブック: iTwin、iTwin.js
画像出典: Silo AI
プロジェクト概要
フィンランドの水道および地域暖房ネットワークのパフォーマンス、信頼性、エネルギー効率を向上させるために、Silo AIは、都市パイプライン事業者向けのスマートなデータ駆動型資産最適化サービスを開発しました。システム事業者は、メンテナンスの改修に優先順位を付け、漏水の可能性が高いエリアを予測し、正確に特定する必要があります。しかし、データシステムやソースが散在し、接続されていないと、パイプラインのメンテナンスの体系的な優先順位付け方法を開発する際に課題が持ち上がり、その結果、改修にあたって多額の債務が発生します。これらの問題に対処し、ネットワークの健全性の全体的な概要を視覚的に把握するために、Silo AIは使いやすい統合デジタルプラットフォームを必要としていました。
Siloは、接続された、アクセスしやすいデジタル環境で複数のデータソースからのデータを視覚化および分析するために、Bentley iTwinプラットフォームを選択しました。このプラットフォームを使用することで、視覚化作業が50%削減され、漏水予測と流量最適化のためのAIソリューションの実現までに必要な時間が大幅に短縮されました。その結果、ネットワークの供給温度を3度下げ、燃料消費量を減らしながらエネルギー効率を向上させました。ネットワーク事業者は、パイプラインシステムの最適化、将来のメンテナンスの予算編成、ネットワークへの投資を通じてROIを高めることができます。
WSP
Bentleyの革新技術を用いて設計を最適化した、WSPによるUnity Placeのデリバリ
場所: 英国、バッキンガムシャー、ミルトンキーンズ
プロジェクトプレイブック: PLAXIS、RAM
画像出典: WSP
プロジェクト概要
ミルトンキーンズに位置するUnity Placeは、Santander Bankの新しい本社となり、既存の4つのオフィスビルを統合して最先端の施設に生まれ変わることになっています。この施設は、優れた環境持続可能性と健康増進の実現を視野に、環境に優しい効率的なスペースとして設計、建設される予定です。既存の84,000平方メートルの駐車場を含む、この持続可能な建築プロジェクトには、建築、地盤工学、構造エンジニアリング上の課題がありました。構想から完成までの多分野にわたるエンジニアリングサービスに携わるWSPは、持続可能な建築ソリューションを特定するには、構造と地盤工学の統合型モデリングおよび解析アプリケーションが必要であることを認識していました。
持続可能性の目標を達成しながらも、建設予算とスケジュールに従うために、WSPはPLAXISとRAMを採用し、設計を簡略化してワークフローを合理化しました。Bentleyのアプリケーションを使用して、1万6,000トンのコンクリートと120万6,000英ポンドの材料費を節約するコンクリートソリューションを選びました。その統合テクノロジによって設計時間が短縮されたことで、さらに2万英ポンドを節約できました。また、革新的な構造ソリューションの導入が推進され、2030年の二酸化炭素排出量目標をすでに超えることができました。このプロジェクトは、新しい商業ビルの持続可能な設計においてベンチマークとなっています。
WSP USA
州間高速道路橋架け替えプログラム
場所: 米国、オレゴン州ポートランドおよびワシントン州バンクーバー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、gINT、iTwin、iTwin.js、Leapfrog、LumenRT、MicroStation、OpenBridge、OpenBuildings、OpenCities、OpenGround、OpenRail、OpenRoads、OpenUtilities、Orbit、ProjectWise、ProStructures、Sensemetrics、SYNCHRO
画像出典: WSP USA
プロジェクト概要
州間高速道路橋架け替えプログラム(IBR)は、コロンビア川に架かる老朽化した橋梁を、耐震性に優れた最新の構造物に架け替え、人・物・サービスのモビリティを高めるプログラムです。WSPは、総合エンジニアリングコンサルタントとして、プロジェクトのライフサイクル全体にわたるデジタルツインの導入を希望していました。請負業者、一般市民、政府機関との連携を調整するにあたって課題を抱えていた同社は、統合されたデジタルデリバリプラットフォームを必要としていました。
同社はBentley iTwinプラットフォームとProjectWiseを選択して、BIM輸送戦略とデジタルツインの開発をサポートする構造化されたフレームワークと情報管理プロセスを作成しました。
Phocaz, Inc.
高速道路の特性を抽出するCLIP
場所: 米国、フロリダ州、ウェストメルボルン
プロジェクトプレイブック: iTwin、iTwin.js、MicroStation、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: Phocaz、Inc.
プロジェクト概要
フロリダ州運輸局が設計図面から道路の特性をより効率的に抽出して共有できるよう、Phocazは分野を越えてこのプロセスをデジタル化し、自動化するプロジェクトを開始しました。当初はCADベースのアプローチを使用していましたが、時間がかかるうえに限界があり、一部の道路要素について誤った解釈をしてしまうことが判明しました。Phocazは、道路要素を識別し、広範なアクセス性を実現して、データ利用能力を拡張するために、先進技術を統合したいと考え、オープンで使いやすいデジタルプラットフォームを必要としていました。
CLIPアプリケーションの基盤としてiTwinを選択し、機械学習と人工知能技術を統合することで、設計要素を解釈し、さまざまな図面のフィーチャについてレポートできるようになりました。以前は設計図面のレビューを手動で行っていたため、数日かかっていましたが、CLIPを使用して設計データの抽出を自動化したところ、クエリの実行とデータの取得がわずか数秒に短縮されました。Bentleyのクラウドベースのプラットフォームで作業することにより、アクセスが簡素化され、コラボレーションの効率が向上し、分野横断的なデータのサイロがなくなり、設計データが合理化されて、高速道路の保守チームや管理チームが使用できるようになりました。この統合技術ソリューションは、大きな将来性を秘めています。