2021年受賞者
受賞者とファイナリストの皆さん、おめでとうございます。
The 2021 Going Digital Awards in Infrastructureのカテゴリは、設計、建設、運用など、あらゆるタイプのインフラプロジェクトやその各段階を対象としています。
各カテゴリに応募されたプロジェクトは、各カテゴリに応じた審査基準に照らして第三者審査員団によって審査されます。
橋梁
受賞者とファイナリスト
WINNER
ニューヨーク州運輸省
メジャーディーガンエクスプレスウェイを横切るイースト138thストリート
場所: 米国、ニューヨーク州、ニューヨーク市
画像出典: ニューヨーク州運輸局
プロジェクトの概要
イースト138thストリートに1938年に建設された既存の橋梁を、垂直クリアランスの問題を解消し、車両と歩行者の交通需要最適化を目的として架け替えることが計画されました。NYDOTは、主要な設計図書としてデジタルツインを使用したいと考えていました。渋滞の激しいエリアに位置するため、チームは施工順序計画を作成するとともに、COVID-19によって加わった課題として既存のユーティリティにも対応する必要がありました。複雑な上部構造と歩行者用コンポーネントのデジタルツインを作成するには、ハイブリッドモデリング手法が必要でした。
すでにBentleyのアプリケーションに精通していたNYDOTは、OpenBridge Modeler、OpenRoads Designer、およびProSteelを使用して正確な3Dモデルを生成しました。iTwin Design Reviewは、180人以上のレビュー担当者向けの一元的なプラットフォームとなりました。Bentleyの統合技術は、コストのかかる問題を施工前に特定、解決するのに役立ちました。SYNCHRO 4Dは、視覚的かつ動的な施工順序と交通制御計画の作成に役立ち、プロジェクトをより適切に調整できました。デジタルツインは、資産管理と橋梁検査に使用されています。
プロジェクトプレイブック: MicroStation、OpenBridge Designer、OpenBridge Modeler、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProSteel、ProStructures、SYNCHRO 4D
FINALIST
CCCC Third Harbor Engineering Co., Ltd.
CCCC Third Harbor Engineering Co., Ltd.のNanyanjiang Intercity Railwayフロントエンドエンジニアリングプロジェクト
場所: 中国、江蘇省、常熟市
画像出典: CCCC Third Harbor Engineering Co., Ltd.
プロジェクトの概要
Nanyanjiang Intercity Railwayプロジェクトは、中国の高速鉄道プロジェクトとしては初めて40mの大型単純支持箱桁を採用しています。CCCC Third Harbor Engineeringは、5つの大きな橋梁と1つの駅で構成される33.9kmの路線の建設を担当しました。既存のインフラによる建設上の制約や安全上のリスクにも配慮しながら、多分野にわたるチームを管理する必要がありました。他社製のモデリングソフトでは複雑なモデルを構築できなかったため、モデリングとデジタル管理の統合を目指しました。
同社はContextCaptureを採用してリアリティメッシュを構築し、限られた建設スペースを活用しました。1万個以上のモデルを構築するためにOpenBridge Modelerを使用することで、モデリングの効率と精度が向上し、エラーを事前に特定できました。ProjectWiseによって協調的な管理プラットフォームが提供され、SYNCHRO 4Dによって動的なスケジュール管理が容易になったことから、建設期間が130日短縮しました。Bentleyの統合デジタルアプリケーションは、デジタル管理の形を変え、建設におけるデジタルトランスフォーメーションのベンチマークを打ち立てました。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBridge Modeler、ProjectWise、ProStructures、RM Bridge、SYNCHRO 4D
FINALIST
Hatch
Lathams Road Bridge
場所: オーストラリア、ビクトリア州、キャラムダウンズ
画像出典: Hatch
プロジェクトの概要
Lathams Road Bridgeは、ビクトリア州のキャラム工業団地に接続するために、都市に既存の道路の二重化プロジェクトの一環として建設される、新しい2スパンの連続橋です。エンジニアリングコンサルタントのHatchは、橋梁設計チームと土木設計チーム間のワークフローを効率化するために、統合BIMソリューションを探していました。従来のプロセスでは、何時間も手作業でモデリングを行う必要があったため、完全にデジタルなプロジェクトコンテキストを促進するために、オープンなコネクトデータ環境の確立が必要でした。
Hatchは、OpenRoads DesignerとOpenBridge Modelerを採用し、この地域では初めて両者の機能を統合しました。土木設計チームと橋梁設計チームは、Bentleyのソフトウェアを使用して、Webベースのプロジェクトレビュー用にiTwinに公開した調整済みモデルのリアルタイムデータを共有、活用しました。統合された完全デジタルソリューションは、データ変換を回避し、2つのチーム間の透明性を高め、コストのかかる設計ミスのリスクを排除しました。デジタルツインは、下流工程での資産管理に関するクライアント要件を満たしています。
プロジェクトプレイブック: MicroStation、OpenBridge Modeler、OpenRoads Designer、ProjectWise
ビルディング・キャンパス
受賞者とファイナリスト
WINNER
Volgogradnefteproekt, LLC
ハイテクな多機能医療複合施設
場所: ロシア連邦、サンクトペテルブルク、ユッキ
画像出典: Volgogradnefteproekt, LLC
プロジェクトの概要
サンクトペテルブルクのユッキでは、ロシア全土の居住者に対する医療の質、多様性、アクセス性の向上を目的としたハイテクな多機能医療複合施設の開発が進められています。この大規模なプロジェクトは、3年間という短いスケジュールに加えて、技術および調整に関する課題に直面していました。Volgogradnefteproektは、請負業者、設計会社、クライアント間のワークフローとコラボレーションを合理化したいと考えていました。チームは、スケジューリング、設備設計、および建設管理を統合するための相互運用可能なデジタルテクノロジを必要としていました。
そこでチームは、OpenBuildingsとProStructuresを採用して施設全体の3Dモデルと設計図書を生成し、ProjectWiseを利用してすべてのモデルと承認プロセスを管理しました。このソリューションにより、意思決定と問題解決が改善され、20%迅速化されたことで、2.5か月のスケジュールの遅れを取り戻すことができました。また、遅延コストを回避することで推定3,000万米ドルを削減しました。ContextCaptureと4Dモデリングの利用により、建設管理の効率は30%向上しました。デジタルツインは運用中の資産管理に役立っています。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin Design Review、iTwin Design Validation、OpenBuildings、ProjectWise、ProStructures、SYNCHRO 4D、SYNCHRO Control
FINALIST
Arab Engineering Bureau
アルトゥママスタジアム
場所: カタール、ドーハ
画像出典: Arab Engineering Bureau
プロジェクトの概要
アルトゥママスタジアムは、2022年FIFAワールドカップカタール大会の開催地となる、美しいデザインのスポーツ施設です。都市のインフラに統合された、社会的、環境的、経済的発展を促進する複合レジャー施設へと生まれ変わる予定です。Arab Engineering Bureauは、短いプロジェクトスケジュールの中で、概略設計と建設を担当しました。プロジェクトには歩行者の流れを評価し、スタジアム内を安全かつ最適に移動できるようにする動的なデジタルソリューションが必要でした。
同社はLEGIONを採用し、動的モデリングとリアルタイムの歩行者シミュレーションを行って、入退場、ハーフタイム、および緊急時のエリアと施設の要件を明らかにしました。このソフトウェアにより、建築家やプランナーが連携して設計を最適化し、イベント終了後90分以内にすべての人が会場内から安全に退出でき、緊急避難時には8分以内に客席エリアから退出できるようにしました。このアプリケーションによって、施設の機能や規模の転換に対応できるよう設計された、環境的および社会的に持続可能なスペースを作成するためのコンセプショニアリングがスムーズに行えました。
プロジェクトプレイブック: LEGION
FINALIST
Center for Industrial Technological Studies and Services No. 33
CETIS 33 BIMワークショップ
場所: メキシコ、メキシコシティ
画像出典: Center for Industrial Technological Studies and Services No. 33
プロジェクトの概要
建築や建設のキャリアを提供するCenter for Industrial Technological Studies and Servicesは、それまでのソフトウェアでは計画、設計、およびエンジニアリングプロセスのデジタル統合が容易に行えなかったため、デジタル教材の更新を望んでいました。BIMとリアリティモデリングに基づいた新しいデジタルワークショップを提供し、雨水を利用してキャンパスのエネルギー消費を削減するための環境イニシアチブを試験的に実施しました。学生間のワークフローを効率的で連携されたものにするため、設計から実行までのプロジェクトの全段階を管理する統合モデリングテクノロジが必要でした。
同校はContextCaptureとOpenBuildingsを利用してデジタルツインを生成し、雨水採取量を計算して、貯水タンクの幾何学的寸法を決定しました。このデジタルソリューションは、学生たちのワークフローを効率化して調整するだけでなく、デリバリまでの時間を大幅に短縮しながら、ライフサイクルプロジェクトの手順を統合するための教材としても機能しました。学生たちは、このデジタルモデルを使用して、雨水採取の実行可能性を判断し、キャンパスの飲料水消費量を年間50%、電力消費量を25~30%削減できると考えています。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBuildings
都市システム
受賞者とファイナリスト
WINNER
Hubei International Logistics Airport Co., Ltd., Shenzhen S.F. Taisen Holdings (Group) Co., Ltd., Airport Construction Engineering Co., Ltd.
花湖空港プロジェクト
場所: 中国、湖北省、鄂州
画像出典: Hubei International Logistics Airport Co., Ltd.、Shenzhen S.F. Taisen Holdings (Group) Co., Ltd.、Airport Construction Engineering Co., Ltd.
プロジェクトの概要
鄂州東部に位置する鄂州花湖空港は、新しい国際空港であり、航空ロジスティクス空港であり、アジア初の専門的な貨物空港でもあります。このプロジェクトは、総面積11.89平方キロメートルに及び、多数のプロセスシステムの統合を要する一方で、複雑な地質学的課題と非常に厳しいスケジュールに直面しています。民間航空向けのBIM標準が存在せず、2,500万個のモデルコンポーネントを抱える中で、大量のマルチソースデータとインテリジェントなライフサイクル運用をサポートできるデジタルプラットフォームが必要でした。
プロジェクトではBentleyのBIMアプリケーションを採用して3D空港モデルを開発し、モデルデリバリを90日短縮しました。ProjectWiseにより、オープンなコネクトデータ環境を実現し、異なる分野間の調整を合理化して1,200万人民元を節約しました。Bentley iTwinプラットフォームを使用してデジタルツインを構築し、6,000件の問題を解決することで2億人民元のコストを削減しました。Bentleyのソリューションにより建設期間が短縮され、中国の民間航空業界におけるスマートな建設が促進されています。
プロジェクトプレイブック: Bentley Raceway and Cable Management、MicroStation、OpenBridge Designer、OpenBuildings、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProStructures
FINALIST
CSCEC AECOM Consultants Co., Ltd.
西咸新区世紀大道改修プロジェクトの設計におけるBIMの活用
場所: 中国、陝西省、西安市
画像出典: CSCEC AECOM Consultants Co., Ltd.
プロジェクトの概要
世紀大道の改修プロジェクトは、市民や企業への影響を最小限に抑えながら、地区の道路網の構造や交通状況を改善するものです。この大規模な地方自治体プロジェクトには、地下鉄、交差する通路、複雑な配管用構造体を持つ地下空間が含まれており、従来の2D設計では対応できない、計画や調整に関する課題が生じていました。チームは厳しいプロジェクトスケジュールと複数の設計分野に対処する必要があり、設計と建設を厳密に調整するコラボレーションBIMワークフローを実施するための統合デジタルプラットフォームを求めていました。
チームはContextCaptureを採用して既存の状態をリアリティモデルとして作成することで、現場訪問の回数を減らし、設計期間を28日短縮しました。OpenRoads DesignerとOpenBuildingsによりパイプラインとランドスケープのモデリング全体を改善し、クリアランスの競合を解決して、設計変更を60%以上削減しました。また、全体的な設計効率が15~20%向上し、1,000万人民元以上を節約しました。3Dモデルは今後も更新され、建設、運用、保守のデータを組み込み、デジタルツインを形成する予定です。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBridge Designer、OpenBuildings、OpenRoads Designer
FINALIST
バーミンガム大学
プロジェクトと資産に基づくCDEの実施
場所: 英国、バーミンガム
画像出典: バーミンガム大学
プロジェクトの概要
バーミンガム大学は新しい施設を建設するための10年間の投資の一環として、672エーカーにわたる200以上の建物を改修することによりキャンパスを変革しています。このプロジェクトには、大学の現在の資産および建設中の資産を管理し、協調的で安全なデリバリをサポートして概念化から運用までの流れを推進するためのデジタルソリューションが必要です。これまでのプロジェクト情報や資産情報は、サプライチェーン請負業者が管理する複数の異なるレガシーシステムに格納されていたため、コネクトデータ環境を確立する必要がありました。
同大学ではBentleyの統合プラットフォームを活用することで、リアルタイム情報へのアクセスを簡素化および迅速化し、意思決定を飛躍的に向上させました。このソリューションにより、請負業者およびサプライヤとの間の透明性とコラボレーションを強化し、情報損失のリスクを軽減して、請負業者による資産情報の引き渡しを6か月から1か月に短縮しました。柔軟性の高いアプリケーションにより、情報のデジタル化が促進され、プロジェクトのライフサイクル全体に対応できています。将来のビジョンの一環として、キャンパスのインフラ管理に役立つデジタルツインの構築が計画されています。
プロジェクトプレイブック: BCDE
デジタル建設
受賞者とファイナリスト
WINNER
Clark Construction Group, LLC
シータック空港国際線到着施設
場所: 米国、ワシントン州、シアトル
画像出典: Clark Construction Group, LLC
プロジェクトの概要
シータック空港国際線到着施設は、69年にわたるシアトル空港の歴史の中で最も複雑な資本開発プロジェクトです。このプロジェクトには、3階建てビル、無菌高架回廊、空港のタクシーレーンの上にある世界最長の歩行者用通路の建設が含まれていました。Clark Constructionは設計と施工を担当しましたが、300万ポンド、中央径間長320フィートの歩道橋を遠隔操作で組み立てて現場まで輸送するなど、いくつかの課題に直面しました。
BentleyのSYNCHRO 4DによるBIMとリアリティモデリング技術を活用することで、Clark Constructionはモデルと建設スケジュールをリンクさせ、デジタルツインを開発して、施工順序を完全に視覚化しました。SYNCHRO 4Dを使用して、空港の混乱を招くことなく、象徴的な歩道を安全に8分の3インチ以内の精度で設置するための正確な計画と実行を実現しました。このデジタルツインは、シアトル港の施設管理に使用される予定です。
プロジェクトプレイブック: SYNCHRO 4D
FINALIST
地泰河建和投資建設管理有限公司、黒龍江省ビッグデータ産業発展有限公司、など。
七台河市桃山湖の生態水利事業
場所: 中国、黒竜江省、七台河市
画像出典: Qitaihe Jianhe Investment and Construction Management Co., Ltd.、Heilongjiang Big Data Industrial Development Co., Ltd.
プロジェクトの概要
黒竜江川の倭肯河沿いに位置する桃山湖の生態・環境・水資源保護活動は、湿地の生態文化を創造し、観光とレジャーを促進しています。プロジェクトエリアは、狭く複雑な建設現場内で、650万平方メートル以上にも及びます。コンサルタントは、短い工期の中で複数分野を調整しなければならず、協調的な統合建設技術ソリューションの必要性を痛感しました。
いくつかのアプリケーションの評価後に、ContextCaptureとSYNCHRO 4Dが採用されました。Bentleyのソリューションは、建設エリアの3Dモデルを作成し、解体と施工の順序をリンクさせるのに役立ちました。このデジタルソリューションにより、建設時間を40%短縮して納品を予定より240日早め、6,000万人民元以上を節約できました。また、BIM、エンジニアリング量、環境データをデジタルプラットフォームで活用することで、インテリジェントな制御が可能となり、人的ミスに起因するコストを200万人民元以上削減できました。SYNCHROによるデータ処理を通じて、コミュニケーションとタスクの実行状況が改善したと同時に、全体的なコストが削減されました。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBridge Modeler、OpenBuildings、OpenPlant、ProStructures、SYNCHRO 4D
FINALIST
Zachryの系列会社であるZachry Industrial, Inc.
Golden Pass LNG社の
輸出プロジェクト
場所: 米国、テキサス州、サビーン海峡
画像出典: Zachry Industrial, Inc.(Zachry Group)
プロジェクトの概要
年間1,600万トンの生産能力を持つGolden Pass LNG輸出施設の建設業者に選定されたZachry Groupは、世界中に分散しているチームを調整する必要がありました。従来はワークパッケージ作成や建設のスケジューリング、施工順序の設定を手作業で行っていましたが、時間がかかってエラーが発生しやすく、非効果的でした。プロジェクトの規模が非常に大きいことから、チームは、建設計画の視覚化、共同作業の効率化、プロジェクトデリバリのデジタル化のために、高度な4Dモデリングを必要としていました。
すでにBentleyのソリューションに精通していたZachry Groupは、主要ソリューションとしてSYNCHROを採用し、スケジューリングで29,050人時、ワークパッケージ開発で12万人時の削減を果たしました。また、設計中に建設デジタルツインを構築し、モデルをスケジュールにリンクさせることで、調整の改善、パンデミックによる制限期間中の移動の排除、混雑の緩和、作業員のリスク軽減を実現しました。統合デジタルソリューションにより、コネクトデータ環境でデータを活用し、コラボレーションとコミュニケーションを最適化することで、適切なタイミングで適切な意思決定を行うことができました。
プロジェクトプレイブック: ConstructSim、SYNCHRO 4D、SYNCHRO AWP、SYNCHRO Perform
地盤工学
受賞者とファイナリスト
WINNER
China Water Resources Beifang Investigation, Design and Research Co. Ltd.
水利水力発電エンジニアリングの地質調査
場所: 中国、チベット
画像出典: China Water Resources Beifang Investigation, Design and Research Co. Ltd.
プロジェクトの概要
チベットの高山地帯に位置するこの水利水力発電複合施設は、灌漑と発電により都市部と農村部の給水設備と地域の水生態環境を改善することを主な目的としています。地下調査結果の重要性を認識している調査・設計チームは、従来の調査方法では対応できそうにない困難な地形や過酷な環境条件に直面しました。デジタルデータの取得や地質データの3Dモデリングを検討しましたが、多くのソフトウェア製品は統合されておらず、データの可能性を最大限に引き出せないことがわかりました。
生産プロセスをデジタル化するソリューションを生み出すために、同社はBentleyのオープンでベンダーニュートラルなエコシステムを選択しました。ContextCaptureを使用して地質可視化のためのデータ処理を行い、ProjectWiseを使用して多分野にまたがるコラボレーションを行うことで、スマートエンジニアリングのためのデータの再利用が進みました。このソリューションにより、調査費用が40万人民元、調査時間が50%以上削減され、データの精度が10%以上、作業効率が15%以上向上しました。また、デジタルツインの構築により、プロジェクト管理が10%向上し、業界のベンチマークとなっています。
プロジェクトプレイブック: AssetWise、ContextCapture、iTwin.js、MicroStation、OpenBuildings、OpenRoads、PLAXIS、Pointools、ProjectWise
FINALIST
Research Center of Construction - Gersevanov Research Institute of Bases and Underground Structures(NIIOSP)
モスクワのルジニキスタジアム改修工事の地盤工学的側面
場所: ロシア、モスクワ
画像出典: Research Center for Construction – Gersevanov Research Institute of Bases and Underground Structures(NIIOSP)
プロジェクトの概要
1950年代に建設されたモスクワのルジニキスタジアムは、最近、過去最大規模となる3回目の改修が行われ、年間を通して使用できる一流のサッカースタジアムとなりました。このプロジェクトでは、伝統的なファサードとスタジアムの屋根をそのまま維持しながら、6階建ての楕円形の建物を改修することが求められました。チームは工事を始める前に、過圧密のジュラ紀の粘土層、土壌圧縮、基礎スラブの下にある既存のユーティリティなど、いくつかの地質学的な問題に対処する必要がありました。
チームはPLAXISを採用して改修の影響のモデル化とシミュレーションを行い、地盤の変形、応力、安定性の観点から最適な建設順序を決定しました。3Dモデルを使用することで、新築および既存の建物や構造物の改修による地盤変位に関する地盤工学的な予測の信頼性が高まり、最終設計の作業効率向上につながりました。Bentleyのデジタルソリューションは、より正確な予測を可能にし、建設の信頼性を向上させ、詳細な地盤解析によって基礎のコストを削減しました。
プロジェクトプレイブック: PLAXIS
FINALIST
Royal HaskoningDHV
土壌調査のデジタルソリューション「Moondrian」
場所: オランダ
画像出典: Royal HaskoningDHV
プロジェクトの概要
地盤工学設計とエンジニアリングの専門知識を持つRoyal HaskoningDHVは、地盤データ管理の自動化とデジタル化、および高度な解釈のための3Dモデルをいち早く採用しました。従来、軟質地盤の試験は、PDFや2Dモデルを使って手作業で行われていたことから、時間がかかるうえにミスが発生しやすく、地盤工学エンジニアはデータを十分に活用できていませんでした。そのため、データの収集、統合、再利用、および信頼性の高いデジタルワークフローを促進するための共同技術プラットフォームが必要とされていました。
Royal HaskoningDHVは、地盤工学情報管理の基盤としてOpenGroundを選択しました。OpenGroundでは、単一の信頼できる情報源にアクセスできるため、正確な地盤データを利用して、プロセスベースで共同作業を行えました。また、3Dのビジュアル環境でより正確なデータにアクセスすることで、包括的なコンテキストを得られ、地下の状態を的確に把握してデータに基づいて意思決定することができました。このデジタルコラボレーションソリューションは、小規模なプロジェクトでは10%、大規模なプロジェクトでは最大40%の時間短縮を実現します。データの価値を最大限に引き出し、他の設計プラットフォームと連携して将来的に持続可能な設計を実現する大きな可能性を秘めています。
プロジェクトプレイブック: OpenGround
土地・用地開発
受賞者とファイナリスト
プロジェクトの概要
東台子貯水池プロジェクトは、中国の13次5か年計画の一環として予定された大規模な水利イニシアチブです。エンジニアリング、調査、設計を行う遼寧省水利水力発電調査設計研究院は、技術、地質、調整に関する課題に直面していました。従来の設計手法では不十分であるため、地質、掘削、ダム設計に対応できる統合された3D BIMアプローチが必要でした。
チームは、ProjectWiseをコラボレーション設計管理プラットフォームとして使用し、複数の専門分野に対して1つのコネクトデータ環境を提供しました。OpenBuildingsとOpenRoadsによって3Dモデリングと視覚化が容易になり、生態系に配慮した魚道と複雑なコンクリートダム構造を設計する際の困難を解決するのに役立ちました。Bentleyの統合アプリケーションを使用して、予定より2週間早くエンジニアリング設計を完了し、設計ミスを90%削減しました。建設の監視、運用、および保守のためにデジタルモデルが引き渡され、ライフサイクル全体にわたるBIMアプリケーションが実現しました。
プロジェクトプレイブック: OpenBuildings、OpenRoads Designer、ProjectWise
FINALIST
韓国土地住宅公社、BasisSoft, Inc
河南ギョサンのBIMデザイン
場所: 韓国、京畿道、河南市
画像出典: 韓国土地住宅公社、BasisSoft, Inc
プロジェクトの概要
河南をスマートシティにするため、韓国土地住宅公社とBasisSoftは最初の2D設計を見直し、3D BIMアプローチを決定するよう依頼されました。プロジェクトは、設計資料の不備、タイトなスケジュール、および約650万平方メートルに及ぶプロジェクトエリアのモデリングという課題に直面しました。これまでのモデリングアプリケーションには、必要な設計機能や分類システムがありませんでした。このため、設計プロセスをデジタル化し、インテリジェントシティの開発に使用する基本的なデータセットを作成するために、包括的で統合されたBIMテクノロジが必要でした。
同社はContextCaptureを利用して3D地質モデルを生成しました。さらにOpenRoadsにより、大規模なBIMデータセットを収容して、道路、河川、下水道モデルを作成し、土工を計算して、排水オプションを検討しました。BentleyのモデリングアプリケーションとLumenRTによって、正確な視覚化が可能になり、潜在的な設計ミスを把握できるようになりました。統合されたBIMソリューションを通じて、50件の衝突、30件の図面エラー、10件の潜在的な設計上の問題など、元の2D設計のエラーを発見できました。
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenRoads Designer
FINALIST
Pennoni
ロングウッドガーデン予備駐車場
場所: 米国、ペンシルベニア州、ケネットスクエア
画像出典: Pennoni
プロジェクトの概要
ロングウッドガーデンは、1,000エーカーに及ぶ植物園を擁し、米国で最も訪問者数の多い有料のパブリックガーデンです。世界的に有名で、年間100万人以上の人々が訪れています。Pennoni社は、1,200台を収容できる予備駐車場の建設を目的とした測量、地盤、土木工事を依頼されました。厳しいスケジュールの中で、敷地内でこれに適した費用対効果の高い場所を特定する必要がありました。それまでの土木設計ソフトウェアでは、クライアントに対してグレーディングとコストの見積もりを提供するのに時間がかかりすぎていました。そのため、オープンで包括的な土木技術ソリューションが必要でした。
同社はOpenSite SITEOPSを採用し、コンセプトモデリングを行い、切土、盛土、コストを計算しました。統合プラットフォームで作業することにより、プロジェクト情報をリアルタイムで共有でき、設計期間が2~3週間短縮されました。Bentleyのアプリケーションにより、デリバリまでの時間を50%短縮し、概念設計の時間を25%短縮しました。3Dモデルを使用して、将来の設計拡張に役立つ統合デジタルツインを作成しました。
プロジェクトプレイブック: OpenSite SITEOPS
製造
受賞者とファイナリスト
WINNER
WISDRI Engineering & Research Incorporation Limited
Jinnan SteelフェーズIIの転換炉ベースの連続鋳造プロジェクト: 曲沃工場の設備能力削減およびレイアウト変更プロジェクト
場所: 中国、山西省、曲沃県
画像出典: WISDRI Engineering & Research Incorporation Limited
プロジェクトの概要
Jinnan Steel Groupは、Quwo Group(2つの製鉄所の合併)に投資して、工場の設備レイアウトを最適化し、生産品質、効率性、持続可能性を高めました。WISDRIは、限られたスペースとCOVID-19渦中の厳しいスケジュールという問題も重なり、ゼネコンとして技術的な課題や調整の課題に直面しました。そこで、共同設計と施工シミュレーション技術により、ワークフローの効率化とリスクの事前把握を目指しました。
WISDRIは、ProjectWiseとBentleyのオープンモデリングアプリケーションを採用して、16分野間の設計をデジタル処理で統合し、曖昧さを軽減して設計品質を向上させました。衝突検知を行うことで66件のクラッシュを排除し、約170万人民元のコスト削減と手直しの回避を実現しています。また、SYNCHRO 4Dを用いた施工シミュレーションにより、工期を30日以上短縮し、さらに300万人民元のコスト削減に成功しました。統合デジタルアプローチにより、パンデミックの影響を最小限に抑えながら、グリーンでスマートな製鉄所の開発を促進し、持続可能な経済成長を促進しました。
プロジェクトプレイブック: AutoPIPE、Bentley Raceway and Cable Management、OpenBuildings、OpenPlant、ProjectWise、ProStructures、SYNCHRO 4D
FINALIST
Dow Chemical
先進的なワークパッケージのグローバルプロジェクト手法への統合
場所: 米国、テキサス州、ヒューストン
画像出典: Dow Chemical
プロジェクトの概要
Dowは、ライフサイクル全体にわたって資本プロジェクトを実行する国際的なオーナーオペレータ企業として、1,000万米ドル以上の資本プロジェクトにAWP(Advanced Work Packaging)のベストプラクティスを適用しています。同社は、AWP向けのいくつかのソフトウェアパッケージを検討し、当初はパイロットプロジェクトでConstructSimの初期バージョンを使用して成功しました。
現場での処理時間とデータの可用性を向上させたいと考え、それには技術力を高めてワークフローとデータ共有を合理化する必要があったことから、Dowは米国とカナダの15のプロジェクトにConstructSimのアップデート版を導入しました。このソフトウェアの新機能により、モデルの処理時間とワークパッケージの実行時間が3分の1にまで短縮されました。より頻繁に最新のモデルが手に入るため、プロジェクト担当者は2~4週間先の建設作業をより効率的に計画できるようになり、現場での手直しの大幅な削減、時間と費用の節約、安全性リスクの低減につながります。BentleyのAWPソリューションは、現在、Dowのグローバルプロジェクト手法に組み込まれ、通常のワークフローの一部となっています。
プロジェクトプレイブック: ConstructSim
FINALIST
SHENYANG ALUMINUM & MAGNESIUM ENGINEERING & RESEARCH INSTITUTE CO., LTD.
Neusoft Healthcare International Industrial ParkのフェーズII C5工場デジタルツイン応用プロジェクト
場所: 中国、遼寧省、瀋陽市
画像出典: Shenyang Aluminum & Magnesium Engineering & Research Institute Co., Ltd.
プロジェクトの概要
Neusoft Healthcare International Industrial Park生産ライン拡張工事のフェーズIIは、63,000平方メートルの敷地に3棟の工場建屋と多数のユーティリティ設備を配置する大規模な土木プロジェクトです。3Dデジタル設計を担当するSAMIは、タイトなスケジュールで設計手法や施工の最適化の厳しい要求に対応する必要に迫られ、従来の土木プロジェクト実施方法は十分ではないため、BIMとデジタルツインが統合された技術が必要であると考えました。
すでにProjectWiseに精通していたSAMIは、10以上の分野を調整するための共同管理プラットフォームを構築しました。600以上の3Dデジタルモデルを作成し、約2,000時間の短縮を果たしました。また、3Dモデルからフル機能のデジタルツインを作成し、SYNCHRO 4Dを使用して建設スケジュールをモデルにリンクさせることで、建設時間を300時間短縮しました。Bentleyのデジタルツインソリューションによって、300万人民元以上の建設費を削減するとともに、デジタルツイン工場を構築するための基盤を築くことができます。
プロジェクトプレイブック: Bentley Raceway and Cable Management、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenRoads Designer、ProjectWise、SYNCHRO 4D
鉱業・洋上エンジニアリング
受賞者とファイナリスト
プロジェクトの概要
クラスノヤルスクにあるブラゴダトノエ鉱床で金を増産するため、Polyusは業務用複合施設の増設とミル-5(金処理プラント)の新設を決定しました。このプロジェクトは、建物2棟と関連インフラの設計、建設プランニング、現場管理を行うというものでした。100人を超える従業員のチームで、複雑な設計作業と建設モデリング作業にあたるため、Polyusには統合デジタル技術ソリューションによるデータ駆動型の設計・建設コラボレーションワークフローが必要でした。
PolyusはBentleyのアプリケーションを採用してシームレスなワークフローを構築し、データとプロセスの合理化を図りました。また、3Dモデルを使用して現場に対する建設スケジュールのリンクやレポートの生成を行いました。ContextCaptureを使用することでエンジニアリング設計の時間を22%短縮し、ProjectWiseのコネクトデータ環境で作業することで設計時のコミュニケーションを12%改善しました。建設シミュレーションの実施とクラウドベースのワークフローの構築により、建設と設置の作業を最適化することで、施設のコミッショニングまでの期間を42日短縮しました。
プロジェクトプレイブック: Bentley Raceway and Cable Management、ContextCapture、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProStructures、SYNCHRO 4D、SYNCHRO Control、SYNCHRO Field
FINALIST
CNOOC Energy Development Design and R&D Center
洋上石油採掘・輸送プラットフォームFPSOの
デジタルツインプロジェクト
場所: 中国、広東省、南シナ海
画像出典: CNOOC Energy Development Design and R&D Center
プロジェクトの概要
CNOOCは南シナ海のFPSO洋上施設で、リアリティメッシュの作成と、屋内外のデータを統合したデジタルツインの生成を行うプロジェクトのパイロット運用を実施しました。深い海の中で実施するこのプロジェクトでは、正確なモデルを作成してインテリジェントな情報管理システムを構築するうえで、環境的にデータ収集が難しいという課題がありました。それまで使用していた従来型のエンジニアリング手法では不十分なことが明らかになり、包括的で相互運用可能な調査とリアリティモデリングの技術が必要になりました。
CNOOCはContextCaptureを採用し、複数のソースから収集したデータを処理して、現況の正確なリアリティモデルを作成しました。OpenPlantとOpenCities Plannerの統合により、WebベースのGISプラットフォームを構築して、インテリジェントな情報管理ができるようにしました。リアリティメッシュの作成は、従来の手法を使用していたら数年かかっていたところを、150日以内に完成させました。現場に出向く必要性も減ったため、安全性が高まったうえ、移動コストを100万人民元以上も削減できました。今後はこのモデルをBentley iTwinプラットフォームにつないでインテリジェントなデジタルツインを構築し、洋上石油プラットフォームの制御を自動化する予定です。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、ContextCapture Insights、Descartes、OpenCities Planner、OpenPlant、Pointools
FINALIST
Fujian Yongfu Power Engineering Co., Ltd.
福建省長楽区のゾーンCオフショア
風力発電基地
場所: 中国、福建省、福州市長楽区
画像出典: Fujian Yongfu Power Engineering Co., Ltd.
プロジェクトの概要
長楽区の海岸沖に位置する長楽洋上ウィンドファームのゾーンCは風力タービン62基から成り、総設備容量は500メガワットです。プロジェクトの現場は環境条件が極端で、地質条件も複雑でした。Fujian Yongfuは事前調査を実施し、サクションパイルの基礎と管状フレームのタービンを使用した場合の構造健全性と費用対効果の評価を行いました。こうしたパイル構造には従来の地盤シミュレーションモデルや強度評価モデルを適用できず、コストが大幅に高くなることがわかりました。
Fujian Yongfuは地質と構造の解析および設計にPLAXISとSACSを採用し、統合デジタル環境で複合モデルを作成することで、技術面やエンジニアリング面のさまざまな問題を解決しました。Bentleyのアプリケーションを使用して、検討していた基礎とフレームのソリューションが実行可能であることが確認できたため、従来の基礎構造に比べて30%のコスト削減となり、4億人民元以上を節約できました。今後はBentley iTwinプラットフォームに統合してデジタルツインを作成し、業界内でインテリジェントなプロセスを促進する予定です。
プロジェクトプレイブック: PLAXIS、SACS
発電
受賞者とファイナリスト
WINNER
Capital Engineering and Research Incorporation ltd.
世界初の60メガワット亜臨界溶鉱炉ガス発電プロジェクト
場所: 中国、江蘇省、常熟市
画像出典: Capital Engineering And Research Incorporation Ltd.
プロジェクトの概要
Jiangsu Longteng Special Steelの60メガワット発電プロジェクトは、世界初の超高圧亜臨界ガス発生炉を最小の設備容量で建設するプロジェクトです。この設計と建設を請け負ったCapital Engineering & Research Corporationは、技術面や調整面の課題に加え、スケジュールが厳しくスペースも限られているという課題に直面しました。クラッシュを防ぎつつ、物理的な工場を建設すると同時にそのデジタルツインも作成するには、コネクトデータ環境でオープンなモデリングアプリケーションを使用する必要がありました。
Capital Engineering & Research CorporationはBentleyのアプリケーションを使用して設計コラボレーションプラットフォームを構築し、設計ミスの削減、建設シミュレーションの実行、建設の最適化を行いました。Bentleyの自由度の高さにより、工場全体のデジタルモデルとエンジニアリングデータセンターを構築し、包括的なライフサイクル情報に基づいたデジタルデリバリを実現して、インテリジェントなプラント運用の基礎を築きました。鉄骨のコストを削減しつつ、ガス排出量も140万立方メートル削減しました。
プロジェクトプレイバック: AssetWise、AssetWise Digital Twin Services、AutoPIPE、AutoPLANT、Bentley Raceway and Cable Management、ContextCapture、MicroStation、OpenBuildings、OpenComms Designer、OpenPlant、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProStructures、STAAD、SYNCHRO 4D
FINALIST
PowerChina Zhongnan Engineering Corporation Limited
五強渓水力発電所の拡張プロジェクトのライフサイクルにおけるBIM技術の応用
場所: 中国、湖南省、長沙市
画像出典: PowerChina ZhongNan Engineering Corporation Limited
プロジェクトの概要
水力発電による電力供給を改善するため、五強渓水力発電所のオーナーオペレーターは、既存の設備容量1,200メガワットから500メガワットの容量拡大を行いました。このプロジェクトは建設条件が複雑でエンジニアリングの量が多く、パイプラインも複雑なうえ、厳しいスケジュールのなかで多分野型チームの調整を行うという課題も重なっていました。エンジニアリング調査、設計、デジタル建設を担当したPowerChina ZhongNanは、ライフサイクル全体にわたるデジタルプラント管理を実現するには、従来の手作業による設計戦略では不十分であることに気付き、3Dの統合BIM手法が必要であると考えました。
PowerChina ZhongNanは、リアリティメッシュ生成のためにContextCaptureを採用しました。OpenPlantをはじめとするBentleyのオープンな3Dモデリングアプリケーションによって、BIM設計モデルとデジタルツインを構築しました。ProjectWiseを使用することで、13分野の間でデータとモデルをシームレスに共有できました。これらのアプリケーションによって、設計期間を2か月短縮しつつ、設計上の問題を70件以上も解決できました。デジタル化したことで、建設全体を通して視覚的な管理が可能になり、5,000万人民元のコスト削減を実現しました。
プロジェクトプレイブック: AutoPIPE、AutoPLANT、Bentley Raceway and Cable Management、ContextCapture、iTwin.js、MicroStation、OpenBuildings、OpenBuildings Designer、OpenPlant、OpenRoads Designer、ProjectWise、SYNCHRO 4D
FINALIST
Shandong Province Metallurgical Engineering Co., Ltd
余剰ガス資源を総合利用したShandong Iron and Steel Group Co., Ltd莱蕪支社の2x65メガワット発電プロジェクト
場所: 中国、山東省、済南市
画像出典: Shandong Province Metallurgical Engineering Co., Ltd
プロジェクトの概要
Shandong Iron & Steel Groupは、2x65メガワット余剰ガス発電所の建設を決定しました。設計、建設、試験運用は、Shandong Province Metallurgical Engineeringが担当しています。このプロジェクトでは設置面積が小さく、配管のレイアウトが複雑なうえ、デジタルデリバリが必須となっていました。そのため、従来の2Dの発電所設計手法では不十分であり、共同作業型の3D設計プロセスを導入する必要がありました。
Shandong Province Metallurgical EngineeringはBentleyの工場デジタル設計アプリケーションを使用して、大規模な配管システムを合理的に配置し、垂直方向の空間を最大限に活用しました。配管の高さを正確に減らして建設前にクラッシュを解決したことで、設計品質が13%向上しました。ProjectWiseを共同管理プラットフォームとして使用したことで、ワークフローが効率化され、設計の生産性が向上しました。Bentleyの3D統合デジタルソリューションにより、全体的な設計効率が35%向上する一方、設計コストは従来の2Dプロセスと比べて18%削減されました。
プロジェクトプレイブック: AutoPIPE、Bentley Raceway and Cable Management、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProSteel、ProStructures
プロジェクトデリバリ情報管理
受賞者とファイナリスト
WINNER
モットマクドナルド シストラ バルフォー・ビーティー ヴィンチとのJV
HS2フェーズ1主要土木建設工事
場所: 英国、ロンドン
画像出典: Mott MacDonald Systra JV with Balfour Beatty Vinci
プロジェクトの概要
Mott MacDonald SYSTRA(MSD JV)は、High Speed 2鉄道ネットワーク(HS2)フェーズ1北部区間土木工事の設計と施工を受注しました。しかし、18の分野にまたがり30の拠点で働く1,000人以上の人員、およびテラバイト単位のデータを管理する必要がありました。このプロジェクトは当初よりも規模が拡大したため、データ管理、変更管理、透明性の高いコミュニケーションを効果的に行うために、より標準化されたプロセスと新しい技術が求められました。
すでにProjectWiseを使用していたMSD JVでは、Bentley iTwinプラットフォームを統合し、モデルへのアクセスを95%高速化して年間推定20万英ポンドのコストを削減するとともに、データ抽出時間を2週間から数時間以内に短縮しました。また、メタデータの自動取得により新規成果物の作成を効率化して手動入力を75%削減しました。さらに、高度なワークパッケージ作成機能の統合により、レポート作成時間の大幅な短縮、情報共有の合理化、プロジェクトスケジュールの迅速化を図りました。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin.js、iTwin Design Insights、iTwin Design Review、iTwin Design Validation、MicroStation、OpenBridge Designer、OpenBridge Modeler、OpenBuildings、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProjectWise 365、STAAD
FINALIST
Riverlinx CJV
シルバータウントンネルプロジェクト
場所: 英国、ロンドン
画像出典: Riverlinx CJV
プロジェクトの概要
イーストロンドンのシルバータウントンネルは、既存の横断施設への負担を軽減するための新しい河川横断施設の一部です。テムズ川の下を通る1.4kmのツインボア道路トンネルと600mのアクセスランプを備えた新しいトンネルの設計、建設、運営、保守を落札したRiverLinxコンソーシアムは、施主の求める厳しい自動車排出基準とBIM要件を満たすために、BIM技術を活用し、コネクトデータ環境を構築して、別のモデリングソフトウェアを使用する設計チームを調整したいと考えました。
Riverlinxは、ProjectWiseを採用して約300のモデルを共有および管理し、設計プロセスを統一する単一の信頼できる情報源を確立しました。また、さまざまなソフトウェアモデルを統合して、モデルレビューや図面作成を自動化することで、作業時間を短縮し、必要な人員を約20%削減しました。成果物管理機能により、プロジェクトの共同作業が効率化され、10万英ポンド近くのコスト削減に成功しました。建設終了時には、運用および資産管理に使用される竣工情報を基に、3Dモデルが更新されます。
プロジェクトプレイブック: MicroStation、OpenBuildings、OpenRoads Designer、ProjectWise
FINALIST
WSP
メルボルン港 - 臨港鉄道変革プロジェクト
場所: オーストラリア、ビクトリア州、メルボルン
画像出典: WSP
プロジェクトの概要
メルボルン港鉄道変革プロジェクトは、オンドック鉄道ターミナルの収容人数拡大、道路と鉄道のインフラ新設、および鉄道ターミナルのオペレーション改善により、ビクトリア州全体のトラック移動を削減することを目的としています。WSPの任務は、6週目に予備設計を提出し、12週間以内に最終設計を完成させることでした。マイルストーン間の時間が限られているため、情報管理と共同作業が課題となりました。WSPは、複数のプラットフォームを使用する従来の方法では不十分であり、コネクトデータ環境を確立する必要があると考えました。
WSPは、クラウドベースのプラットフォームを構築するためにBentleyのアプリケーションを採用し、すべてのユーザーがアクセスして主要なプロジェクト情報をリアルタイムで視覚化、共有できるよう、単一の信頼できる情報源を提供しました。この導入により、2D図面の削減、3Dモデルの自動調整、手直しの削減、関係者とのコミュニケーションの合理化を実現した結果、475時間を節約し、総投資利益率(ROI)67.31%(43,500豪ドル)を達成しました。
プロジェクトプレイブック: MicroStation、OpenBuildings、OpenRail Designer、OpenRoads ConceptStation、OpenRoads Designer、ProjectWise、ProjectWise 365、SYNCHRO 4D
鉄道・運輸
受賞者とファイナリスト
WINNER
Network RailおよびJacobs
Transpennine Route Upgrade(TRU)
場所: 英国、マンチェスター/リーズ/ヨーク
画像出典: Network Rail、Jacobs
プロジェクトの概要
Transpennine Route Upgrade(TRU)は、マンチェスター、リーズ、ヨークを結ぶ通勤路線の輸送能力倍増、二酸化炭素排出量削減、所要時間短縮を目的とする数十億英ポンド規模の鉄道強化プログラムです。この100kmの路線のアップグレードが完成すると、40万人以上の利用者の接続性が向上し、イングランド北部に経済的な利益がもたらされます。膨大な量のデータと専門分野を統合するために、Network RailはJacobsに路線全体のデジタルツインの導入を依頼しました。
紙ベースのプロセスとExcelスプレッドシートがチーム全体に不要なリスクと非効率をもたらしていると考えたJacobsは、ProjectWise、ContextCaptureなどのアプリケーションが統合されたBentleyのiTwinプラットフォームを使用しました。デジタルツインを使用することで、1,300人以上のスタッフが設計データと資産情報をリアルタイムで追跡し、寄与、解析ができるようになりました。アクセスの改善により、最初の6か月間で2万時間、推定100万英ポンド相当が節減されました。全体としては、およそ1,500万英ポンドの節減になる見込みです。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin.js、iTwin Design Insights、iTwin Design Review、iTwin Design Validation、iTwin Platform、MicroStation、OpenBuildings Designer、OpenRail Designer、ProjectWise
FINALIST
PT. MRT Jakarta(Perseroda)
MRTジャカルタフェーズII
場所: インドネシア、ジャカルタ首都特別州、ジャカルタ
画像出典: PT MRT Jakarta(Perseroda)
プロジェクトの概要
MRTジャカルタフェーズIIは、安全で信頼できる公共交通機関を提供することにより、モビリティの向上と渋滞の緩和を図るための11.8kmの都市鉄道開発プロジェクトです。PT.MRT Jakartaは、複雑な都市環境、困難な地形、厳しいプロジェクトスケジュールの中で、建設、運用、保守を担当しています。従来、情報がサイロ化された環境で、非効率な文書管理システムや時間のかかる手作業に縛られていたPT.MRT Jakartaは、設計開発とレビューを効率化するために、プロジェクト情報管理の改善を必要としていました。
PT. MRT Jakartaは、コラボレーションを合理化するためにProjectWiseとBentleyのiTwinプラットフォームを採用しました。このソリューションを通じて、信頼性の高いプロジェクト情報にリアルタイムでアクセスできるようになり、デジタルレビューによって少なくとも10%の時短を実現し、紙の書類の提出を90%削減しました。AssetWiseを統合することで、建設費とスケジュールの超過を最小限に抑えることができると期待されています。3Dモデルと竣工時のデータを運用と保守に引き渡せば、鉄道の稼動期間にわたってアセットパフォーマンスと信頼性が高まります。
プロジェクトプレイブック: AssetWise、iTwin.js、iTwin Design Review、iTwin Immersive Asset Service、ProjectWise 365、SYNCHRO 4D
FINALIST
Western Program Alliance
踏切撤去プロジェクト
場所: オーストラリア、ビクトリア州、メルボルン
画像出典: Western Program Alliance
プロジェクトの概要
安全性を高め、混雑を緩和し、市内の鉄道網の容量を増やすために、Western Program Alliance(WPA)は、メルボルン市内の75基の踏切を2025年までに撤去する計画を立てました。設計チームと建設チームを調整しながら、新設のインフラと既存のインフラを統合しなければならず、移動する人々の混乱を最小限に抑える必要がありました。プロジェクトをスケジュールどおりに進めるために、WPAはテクノロジーとデジタルエンジニアリングの限界に挑戦し、ワークフローの効率化を目指して設計と施工の方法を慎重に改善しました。
WPAは、ContextCapture、ProjectWise、SYNCHRO 4Dを使用して4D建設モデリングを導入し、設計とエンジニアリングの調整を改善しました。この統合技術ソリューションにより、デジタルによる建設の計画と準備を支援し、現場での作業前にクラッシュを特定して解決することで、予測可能性を高め、リスクを低減しました。WPAは、新駅、複線化、操車場などを含むこの複雑なプロジェクトにおいて、既存のプロセスを改善するとともに、次のプロジェクトでも標準手法として採用できるような新たなデジタルイニシアチブの開発に努めています。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、ProjectWise、SYNCHRO 4D
リアリティモデリング
受賞者とファイナリスト
プロジェクトの概要
カリフォルニア州オロビルのダムで越流が発生した後、Seattle City Lightはスカジット川にある、ディアブロダムを含む6つのダムの安全性の大規模な見直しを開始しました。世界的なパンデミックの中で、調査の安全性と効率を向上させ、高さ160フィートのダムを検査する際のリスクを最小限に抑えるため、HDRのチームは、物理的な検査を補完するドローン空撮サービスの提供を依頼されました。撮影データを使用して、構造のデジタルツインモデルを作成したいという考えのためです。
チームはContextCaptureとBentley iTwinプラットフォームを採用して、8,200万以上の調査点から2cm以内の精度でデジタルツインを作成しました。構造物のライフサイクル全体にわたって、建築、エンジニアリング、建設のデータを人工知能と統合し、現在および将来の保守と修理の必要性を特定することで安全性を確保できます。デジタルツインによって、所有者が構造物を理解し、プロジェクトコストを削減すると同時に、測量士の安全性を高め、意思決定を容易にするための単一の基準点が得られます。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、ContextCapture Insights
FINALIST
La Société Wallonne des Eaux
3Dリアリティメッシュ上での深層畳み込みニューラルネットワークによる給水塔の亀裂検出
場所: ベルギー、リエージュ県、ジュプレル
画像出典: La Société Wallonne des Eaux
プロジェクトの概要
地域水道会社であるSociété Wallonne des Eauxは、ベルギーのジュプレルで高さ50メートル、貯水量500立方メートルの給水塔を所有および運用しています。以前の調査で損傷が判明したため、地上写真を撮影して改修工事を明確化しましたが、最も重大な損傷が見過ごされていました。この方法を改良して、給水塔の状態をより綿密に評価するため、写真測量、機械学習、3Dモデリング技術を適用する必要がありました。
同社はContextCapture Insightsを採用し、3,000枚以上の画像を処理して給水塔のデジタルツインを生成することにより、構造全体を視覚化して損傷を評価しました。デジタルツインに機械学習を用いることで、亀裂のサイズの正確な特定と定量化を自動化し、最適な是正措置を決定しました。デジタルプロセスによって調査とモデリングの時間が短縮され、コストが削減されました。デジタルツインは1日で完成できるため、迅速な評価と修復計画が可能になり、信頼性の高い給水を実現できます。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、ContextCapture Insights、MicroStation、Pointools
FINALIST
シンガポール土地管理局
シンガポール全土の3Dリアリティマッピングを推進して変わりゆく世界に対応
場所: シンガポール
画像出典: シンガポール土地管理局
プロジェクトの概要
シンガポール土地管理局は、2014/2015年の全国3Dマップを更新し、政府機関や利害関係者に向けてより高い精度とアクセス性を実現するため、3Dリアリティマッピングプロジェクトを開始しました。16万枚以上の高解像度画像から成る720キロメートルの領域をカバーしなくてはならないため、データ処理の課題に加えて、さまざまなレガシーシステムを使用する多数の機関の間でのデータ相互運用性の問題にも対処しなくてはなりませんでした。サードパーティのソフトウェアアプリケーションも検討されたものの、クラウドベースのデジタルツインを実現するには、包括的で相互運用可能なリアリティモデリングおよびマッピングソリューションが必要でした。
同機関はContextCaptureによって0.1mの精度で全土のリアリティメッシュを生成し、シンガポールのすべての公道を網羅した25テラバイト以上のデータをOrbit 3DMによって組み込みました。そして、全国の多様なインフラプロジェクトに利用できる持続可能なデジタルツインを作成しました。Bentleyのテクノロジにより、従来の方法と比較して、2,900万シンガポールドルを節約し、期間を1年4か月短縮しながら、動的な全国規模の3Dリアリティメッシュを生成して、ユーザーのアクセス性を60%向上しました。このプロジェクトは、シンガポールのデジタルトランスフォーメーションと発展を促進するものとなっています。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、Orbit 3DM
道路・鉄道資産パフォーマンス
受賞者とファイナリスト
WINNER
COLLINS ENGINEERS, INC.
ストーンアーチブリッジの復旧
場所: 米国、ミネソタ州、ミネアポリス
画像出典: Collins Engineers, Inc.
プロジェクトの概要
Collins Engineersは、ミネアポリスの象徴であるストーンアーチブリッジを貴重な資産として存続させるための検査と修復設計を任されましたが、橋が老朽化しているうえに大型であるため、修復計画を立てるにあたって、従来のデータ収集では対応できない課題に直面しました。従来はリアリティモデリングを使用していましたが、その品質は複雑な構造物の検査やモデリングには不十分でした。十分なデータを収集し、橋梁を正確にモデリングするためには、調査、モデリング、検査の統合ソリューションが必要でした。
Collins Engineersは、ContextCaptureを採用して13,000枚以上の画像から忠実な3Dモデルを生成し、データの量と質を向上させました。iTwinアプリケーションを使用することで、リアルタイムでのモデルへのアクセスが容易になり、現場での作業時間が20%短縮されました。このソリューションにより、プロジェクトや入札データが改善され、建設費を10~15%削減できると見込まれています。同社では、この橋梁のライフサイクル全体にわたり、計画や保守の意思決定にデジタルツインを使用する予定です。
プロジェクトプレイブック: AssetWise Inspections、AssetWise Digital Twin Services、ContextCapture、ContextCapture Insights、iTwin Immersive Asset Service、MicroStation、ProjectWise
FINALIST
マニトバ州インフラ省
MB MOOVES – マニトバ州インフラ省のSUPERLOADによる改善プロジェクト
場所: カナダ、マニトバ州、ウィニペグ
画像出典: マニトバ州インフラ局
プロジェクトの概要
マニトバMB MOOVESプロジェクトは、マニトバ州の19,000kmに及ぶ州道や高速道路での寸法/重量超過車両の通行許可証発行数を増やしながら、自動ルーティングにより許可担当者の負担を軽減するために開始されました。このプロジェクトでは、4つの区間で気候による制限が異なることから、マニトバ州の許可規則が複雑化し、調整が難航していました。そのため、さまざまなシステムから道路ネットワークデータを取り込み、自動ルーティングと許可システムを実装するための相互運用可能な技術ソリューションを必要としていました。
すでにBentleyソフトウェアに精通していた同局は、SUPERLOADを採用して、サードパーティシステムの道路データと属性データを統合しました。ルーティング、解析、レビューのオプションを拡充することにより、許可申請のレビューサイクルを合理化し、手動での作業を排除しました。このソリューションでは、車両のサイズと重量に基づいて道路制限をリアルタイムでチェックでき、走行に影響を与える状況になると許可証所有者に自動的に通知されます。デジタルのルーティングネットワークに進化したことにより、許可手数料の計算が自動化され、マニトバ州の許可証の最大66%がシステムで発行できるようになりました。
プロジェクトプレイブック: SUPERLOAD
FINALIST
ウィスコンシン州運輸省
寸法/重量超過車両通行許可システムの改善プロジェクト
場所: 米国、ウィスコンシン州、マディソン
画像出典: ウィスコンシン州運輸局
プロジェクトの概要
ウィスコンシン州の許可局は、12,000マイルを超える州道を走行する年間7万件以上の寸法/重量超過車両の通行許可証の発行を担っています。許可数や積載量が増え、技術が高度化する中、州は許可の迅速化、時間とコストの削減、経路解析と制限管理の改善を実現する自動化機能を備えた、サーバーベースの設定可能なソリューションが必要だと考え、最新技術を用いたインテリジェントなデジタルソリューションを探していました。
同局は、州道を統合して、許可経路の変更を自動的にユーザーに警告するためにSUPERLOADを採用し、道路の通行止めや浸水による事故を防止することで大幅なコスト削減を実現しました。SUPERLOADの使用により、従来なら3週間かかっていた道路や橋梁の情報の更新および確認を数時間で行えるようになり、月に40時間かかっていた許可更新の処理も3時間以内で済むようになりました。この統合デジタルソリューションは、許可審査プロセスを合理化して効率を高めるとともに、寸法や積載重量が超過している車両の安全を確認して、高速道路の保守および運用についてデータに基づいた意思決定を行うことに貢献しています。
プロジェクトプレイブック: SUPERLOAD
道路と高速道路
受賞者とファイナリスト
WINNER
PT. Hutama Karya(Persero)
トランススマトラ有料道路プロジェクトのセルベラワン-ペマタンシアンタル区間
場所: インドネシア、北スマトラ州、プマタンシアンタール
画像出典: PT. Hutama Karya(Persero)
プロジェクトの概要
PT.Hutama Karyaは、インドネシアのスマトラ島を横断する全長2,800kmのトランススマトラ有料道路の建設を任されています。セルベラワン-ペマタンシアンタル区間は、移動時間を50%短縮すると見込まれている28kmの高速道路です。人里離れた、うっそうとした森に位置するこのプロジェクトには、多くの分野やソフトウェアプラットフォームを連携させながら、データを取得するという課題がありました。さまざまなBIMプラットフォームを使用してきたPT.Hutama Karyaは、大容量ファイルに対応し、プロジェクトのコラボレーションを向上させるために、相互運用可能なデジタルモデリング技術を求めていました。
ContextCaptureを採用したことで、従来の測量方法では120日かかっていた人里離れたプロジェクトエリアの正確なリアリティメッシュを28日で完成させることができました。OpenRoadsとOpenBridgeの使用により、データとワークフローが合理化され、調整と承認に要する時間が最大34日短縮されました。また、PLAXISは、軟質土壌に起因する潜在的な重大障害を回避するのに役立ちました。Bentleyの統合デジタルソリューションは、互換性の問題とクラッシュを解決するとともに、データの継続性強化とコラボレーションの最適化により、218万米ドルを削減しました。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBridge Modeler、OpenRoads Designer、PLAXIS
FINALIST
Larsen & Toubro - Transportation Infrastructure IC
ムンバイ-バドダラ高速道路 - パッケージI
場所: インド、グジャラート州、バドダラ
画像出典: Larsen & Toubro – Transportation Infrastructure IC
プロジェクトの概要
デリーとムンバイ間の商取引を円滑にするために、インド政府は両都市を結ぶ1,350kmの8車線高速道路の開発に着手しました。この高速道路により、移動時間は24時間から12時間に短縮されます。Larsen & Toubroは、ムンバイとバドダラを結ぶ23.7kmの区間の設計および建設を担当しています。不安定な渓谷を迂回して建設する必要や、既存の高速道路をつなぐ料金所付きのインターチェンジループやランプを設計する必要があり、当初の計画はたちまち複雑になりました。
Larsen & Toubroは、プロジェクトの3Dモデル作成、および課題克服方法の決定にOpenRoads Designerが役立つと考えました。このアプリケーションにより、谷間の起伏のある土地を正確にモデル化し、横断排水構造の配置に活かしました。また、OpenRoads Designerを使用してインターチェンジのレイアウトを簡素化し、既存の道路や構造物との衝突を解決することで、建設の設計期間を1.5か月短縮できました。この新しい高速道路により、車両運用コストと移動時間が50%削減されます。
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、OpenBridge Modeler、OpenFlows CivilStorm、OpenRoads Designer
FINALIST
Sichuan Highway Planning, Survey, Design and Research Institute Ltd.およびSichuan Lexi Expressway Co., Ltd.
Lexi Expressway大規模事業
場所: 中国、四川省、楽山市
画像出典: Sichuan Highway Planning, Survey, Design and Research Institute Ltd.、Sichuan Lexi Expressway Co., LTD.
プロジェクトの概要
四川省の重要な交通事業であるLexi Expresswayは、貧困を緩和しエコツーリズムを増やす重要な経路として、地域経済の発展を促進しています。全長151.8km、連絡線が40kmに及ぶこの大規模事業は、地形や地質が複雑なうえ、道路の長さの80%以上が橋梁やトンネルで構成されています。請負業者であるSichuan Highway Planning, Survey, Design and Research Instituteは、従来の設計・施工方法では対応できないエンジニアリング、調整、技術に関する課題に直面しました。
同社はBentleyのオープンモデリングアプリケーションを採用して、コネクトデータ環境を確立し、設計と建設のプロセスを統合、合理化しました。また、データ統合、標準化、および設計精度を向上させ、1,000以上のエラーを特定し、建設の初期段階の期間を短縮しました。BIMコラボレーションワークフローとデジタルツインを使用することで、プロジェクトのコストを2,000~3,000万人民元削減できると見込んでいます。デジタルモデルは、運用およびメンテナンス中にリアルタイムで更新して使用できます。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenBridge Modeler、OpenRoads Designer、ProStructures
構造エンジニアリング
受賞者とファイナリスト
WINNER
HDRとPennFIRSTチーム
Penn Medicine別館
場所: 米国、ペンシルベニア州、フィラデルフィア
画像出典: HDRとPennFIRSTチーム
プロジェクトの概要
Penn Medicine別館は、地下駐車場と4つの歩行者用スカイブリッジを備えた125万平方フィートの高層ビルから成る、16階建ての最先端の病院です。HDRは構造設計を担当しましたが、都市部の狭い敷地に建つ不規則な形の建物の構造的な健全性を確保するために、エンジニアリングと調整の課題に直面しました。大規模なプロジェクトチームに対応しながら、複雑な鉄筋やコンクリートの接合部と支持部を短期間で設計・解析するためには、統合構造モデリングソフトウェアが必要でした。
HDRは、RAM Structural SystemとRAM Elementsを採用して、荷重と形状の正確さを解析および確認するための統合プロジェクトモデルを作成しました。この単一モデルによるアプローチでは、高品質で経済的な構造物を設計する際の調整を最適化し、エラーを減らして、リスクを最小限に抑えると同時に、時間と費用を節約できました。HDRは、Bentleyのアプリケーションを使用して、基礎と上部構造の設計を1年以内に完成させました。この設計には環境への配慮がなされており、クライアントの持続可能性への取り組みをサポートする建設計画と運用計画が反映されています。
プロジェクトプレイブック: LARS、RAM Elements、RAM Structural System
FINALIST
Arab Engineering Bureau
Rosewood Doha
場所: カタール、ドーハ
画像出典: Arab Engineering Bureau
プロジェクトの概要
Rosewoodは、ドーハのルサイルにあるマリーナ地区の商業エリアに位置する象徴的な豪華複合施設です。2つのメインタワーが3階建てのポディウムで連結されており、建築面積は152,684平方メートルに達します。有機的な建築コンセプトは、2つのサンゴの構造を表現しており、限られた予算の中で4隅を片持ちスラブ設計にするなど、構造上の課題がありました。建築要件を満たしながら構造的な完全性を確保するために、Arab Engineering Bureauは包括的でカスタマイズ可能な構造設計技術を必要としていました。
Arab Engineering Bureauは、床施工のあらゆる側面をカバーする設計機能を備えたRAM Conceptを採用し、ポストテンション鉄骨スラブシステムによって建設費と時間を削減できると判断しました。Bentleyの使いやすいプラットフォームは、最適な鉄骨構造支持ソリューションを決定するためのモデリングを容易にし、人時と関連コストが20%~30%削減されました。
プロジェクトプレイブック: RAM Concept
FINALIST
Louis Berger SAS(WSP傘下企業)
リシケシュとカルナプラヤグを結ぶ広軌鉄道の橋梁詳細設計(パッケージ-3)
場所: インド、ウッタラーカンド州、リシケシュ~カルナプラヤグ間
画像出典: Louis Berger SAS(WSP傘下企業)
プロジェクトの概要
リシケシュとカルナプラヤグを結ぶ125kmの広軌鉄道は、移動性と接続性の向上を目的とするウッタラカンド州初の大規模な鉄道インフラ開発です。ヒマラヤ地域の断層付近の高地震地帯にある長さ125mのガンジス川横断橋梁をはじめ、14.263kmの区間に架かる橋梁の設計およびプロジェクト管理を受注したLouis Bergerは、長スパン橋の構造的な健全性と安全性を確保するために、分散している多分野チーム間のエンジニアリングと調整の課題に直面しました。
Louis Berger SASは、ProjectWiseを採用してコネクトデータ環境を確立し、コミュニケーションの合理化、エラー削減、リスクとプロジェクト費用の最小化を果たしました。また、構造モデリングと解析にSTAAD.Proを使用することで、構造ソリューションの最適化に要する時間を短縮し、その結果、基礎への負荷が軽減され、環境への影響の最小化、材料費の節減にもつながりました。Bentleyの統合デジタルアプリケーションにより、人時を大幅に削減しながら、予算とスケジュール内でプロジェクトを完成させることができました。
プロジェクトプレイブック: ProjectWise、STAAD
ユーティリティと通信
受賞者とファイナリスト
WINNER
POWERCHINA Hubei Electric Engineering Co., Ltd.
随県および広水市におけるHubei Energy Groupの80MWp地上太陽光発電プロジェクト
場所: 中国、湖北省、広水市
画像出典: PowerChina Hubei Electric Engineering Co., Ltd.
プロジェクトの概要
PowerChina Hubei Electric Engineeringは、80メガワットの地上太陽光発電所のエンジニアリング、調達、建設を請負会社として受注した際、いくつかの課題に直面しました。その1つが、わずか10か月のスケジュールでライフサイクル全体のデジタルツイン化を実現しなくてはならないというものでした。最初はサードパーティ製の設計ソフトウェアを使用していましたが、すぐにその効率の低さと動的な統合モデリング技術の必要性に気付きました。
PowerChina Hubeiは3Dモデリング用にOpenBuildings DesignerとOpenRoadsを、設計コラボレーション管理用にProjectWiseを採用しました。Bentleyと共同で、巨大な太陽光発電プロジェクトに利用できる太陽光設計ソフトウェアを開発しました。このソリューションにより、設計手法の最適化を図り、土地の使用面積を縮小し、手戻りが発生しかねない40パターンのシナリオを回避して、80万人民元以上を削減できました。SYNCHRO 4Dを統合したことで、建設期間を約30日間短縮したほか、Bentley iTwinプラットフォームを使用してデジタルツインモデルを自動生成できるようにしたため、デジタルツインを運用段階で作成する場合に想定されるコストおよそ100万人民元も削減できました。
プロジェクトプレイブック: iTwin、iTwin.js、MicroStation、OpenUtilities Substation、OpenBuildings、OpenRoads Designer、SYNCHRO 4D
FINALIST
Mott MacDonaldおよびNational Grid
ロンドン送電トンネル2
場所: 英国、グレーターロンドン、ロンドン
画像出典: Mott MacDonaldおよびNational Grid
プロジェクトの概要
ロンドン送電トンネル2(LPT2)は、これまでの送電網に代わり、地下10メートルから63メートルのところに直径3メートルのトンネルを32.5キロメートルにわたって建設することで、ロンドンの送電網を改善しようとするものです。National Gridはまず従来の処理手法を用いてみたものの、やはりコラボレーションを促進できるデジタルの手法が良いということになりました。そこでMott MacDonaldに、デジタルの手法を既存のプロセスとインフラストラクチャに組み込むよう委託しました。しかし、Mott MacDonaldにはコネクトデータ環境が必要でした。
コラボレーションプラットフォームにはProjectWiseを選択し、すべてのエンジニアリングデータを一元的に集約して、これを信頼できる情報ソースとしました。Bentleyのソフトウェアを使用することで、6社がクライアントと同じ制作環境で作業を進め、情報交換にかかる時間は数分になりました。Mott MacDonaldはこのソリューションを用いて作業時間を最大4時間削減し、データパッケージの転送、ワークフローの効率化、作業進捗状況の瞬時の可視化に加え、データの一貫性も維持できるようになりました。建設の評価や安全性に関する潜在的な問題の特定には、SYNCHRO Proの4Dモデリングが役立ちました。このデジタル戦略によって、資産の運用と保守にデジタルDNAを活用する基礎を築くことができました。
プロジェクトプレイブック: ProjectWise、ProjectWise 365、SYNCHRO Pro
FINALIST
PESTECH International Berhad
ココン変電所(230/22kV)のデジタル化
場所: カンボジア、ココン州
画像出典: PESTECH International Berhad
プロジェクトの概要
タイとカンボジアの国境沿いにある230キロボルトのココン変電所は、生活に欠かせない電力を11の農村に供給し、カンボジアの電力網の信頼性強化に貢献しています。PESTECHはこの建設・設置契約を獲得したものの、スケジュールと予算は厳しく、用地上の問題もありました。手作業で変電所を設計する方法では時間がかかり、エラーも発生しやすいため、インテリジェントな統合モデリング技術をコネクトデータ環境で利用できる必要がありました。
PESTECHはOpenUtilitiesとOpenBuildingsを採用し、変電所のライフサイクル全体を視野に入れて、建物や装置も含めた変電所全体のモデルを作成しました。ProjectWiseでは設計コラボレーションプラットフォームを構築し、資材と建設成果物を自動的に抽出できたおかげで、手作業によるエラーがなくなり、設計品質が高まりました。デジタルモデリングで設計を最大限に自動化したことで、設計にかかる時間が50%に短縮され、協調設計とクラッシュ検出によって、設計の変更が60%削減されました。Bentleyの統合スマートテクノロジソリューションにより、ユーティリティの改修が必要になってもタイムリーに対応し、規制に対するコンプライアンスリスクを低減できるようになりました。
プロジェクトプレイブック: Bentley Raceway and Cable Management、iTwin、iTwin.js、LumenRT、MicroStation、Navigator、OpenBuildings、OpenRoads、OpenUtilities、SYNCHRO 4D
ユーティリティ・工業用資産パフォーマンス
受賞者とファイナリスト
WINNER
Suncor Energy
資産データライフサイクルプログラム
場所: カナダ、アルバータ州、フォートマクマレー
画像出典: Suncor Energy
プロジェクトの概要
カナダのエネルギー企業であるSuncorは、環境への影響を最小限に抑えようと、エネルギー効率や施設の処理プロセスの改善に継続的に取り組んでいますが、その中で、最大かつ最も複雑な施設の資産情報管理を改善する機会を得ました。データの信頼性と完全性を向上させるために、ドキュメント中心のアプローチから資産中心のプログラムへの移行が求められ、目標達成にはクラウドベースの技術ソリューションが必要でした。
Suncorは、資産データライフサイクルプログラムの基盤としてAssetWise ALIMを採用し、資産情報管理機能を合理化するとともに、よりシンプルで信頼性とアクセス性の高いデータを提供することにしました。クラウドベースの環境で作業することで、オンサイトのITインフラを廃止し、関連サポートコストを削減しています。この技術ソリューションにより、5年間で約1,240万カナダドルの削減が見込まれており、また、データの質が上がったことで資産パフォーマンスが向上します。
プロジェクトプレイブック: AssetWise、AssetWise ALIM、AssetWise Enterprise Interoperability、ProjectWise 365
FINALIST
Itafos Conda LLC
肥料製造工場の長期的持続可能性を資産保全で支援
場所: 米国、アイダホ州、ソーダスプリングス
画像出典: Itafos Conda LLC
プロジェクトの概要
Condaの肥料製造工場は最初に建設された1964年以来、度々の閉鎖、再開、所有権の買収を経験してきました。2018年にItafosがCondaの資産を買収し、工場資産の信頼性プログラムの見直しを決定しました。継続稼働の可能な資産が9,000以上あり、製造プロセス、環境要件、管理理念を大きく変更しようとするなか、紙ベースの手作業では資産データの収集が追いつきませんでした。そのため、デジタル資産管理と信頼性プログラムを確立し、適切な保全計画を策定する必要がありました。
そこで、AssetWiseの機能を活用し、最重要資産の特定、故障モードの監視、一貫性のあるフレームワークの作成を通じて、一元的なデジタル環境で資産をメンテナンスできるようにしました。このソリューションにより、資産データ収集にかかる時間が数日から数分に短縮できたうえ、資産に異常が発生した場合は自動通知を受けて、すぐに是正措置の計画を実施できるようになりました。資産の信頼性プロセスをデジタル化したことで、工場のあらゆる機器を包括的に把握して管理し、より持続可能で安全な運用ができるようになりました。
プロジェクトプレイブック: AssetWise Asset Reliability
上下水処理プラント
受賞者とファイナリスト
WINNER
L&T Construction
インド、ウッタルプラデシ州カタンの村落における給水計画(表流水処理)
場所: インド、ウッタルプラデシ州、カタン
画像出典: L&T Construction
プロジェクトの概要
ウッタルプラデシ州政府は、388の村落に暮らす1,400万人以上の人々に安全な飲み水を供給するための給水プロジェクトに着手しました。1日あたりの処理量が160メガリットルにのぼる水処理プラントの設計と建設を請け負ったL&T Constructionは、6か月という厳しいスケジュールの中で、200種類の構造物と3,500キロメートル以上の配管を設計および解析するという課題に直面しました。従来のアプリケーションでは時間がかかる上にエラーが発生しやすいことが判明し、モデリングと解析の統合デジタルソリューションが必要となりました。
L&T Constructionは、Bentleyの水理モデリングおよび構造解析アプリケーションを採用して、配水管網と擁壁の設計作業を自動化しました。プロジェクト全体のエンジニアリングは、手作業なら8か月かかるところを6か月以内で完了させました。人件費はネットワークの解析で50%減、高架タンク121基の構造設計で45%減となりました。接続データ環境での作業によりワークフロープロセスの効率化と自動化ができたことで、水質の良い持続可能な給水を実現できました。
プロジェクトプレイブック: OpenFlows HAMMER、OpenFlows WaterGEMS、PLAXIS、STAAD
FINALIST
Jacobs Engineering
F. Wayne Hill水資源センターの水処理膜改良
場所: 米国、ジョージア州、ブフォード
画像出典: Jacobs Engineering
プロジェクトの概要
グイネット郡の水資源局は、F. Wayne Hill水資源センターにおける処理水量および処理能力の増大を模索していました。Jacobs Engineeringが複雑な改築プロジェクトの設計を請け負ったものの、リモートで対応するチームの取りまとめという課題に直面。しかも、既存の竣工時モデルは限られた機能しか備えていない、という問題もありました。正確な3Dのプラントデータを取得し、旧式のモデルを設計プロセスに統合するには、包括的なリアリティモデリングソリューションとコネクトデータ環境が必要でした。
Jacobs EngineeringではBentleyのアプリケーションを採用し、現況のリアリティメッシュを生成して、世界中に分散しているチームメンバーがクラウドベースで共有できるようにしました。ContextCaptureとProjectWise 365を組み合わせることで、新しく取得した情報を他のモデルと統合し、プラントを正確に表現できるようにした結果、20件あまりの設計上の問題を素早く解決し、10%の設計コスト削減を実現できました。以前なら現場訪問を重ね、300時間をかけて解決していたところです。
プロジェクトプレイブック: AutoPLANT、ContextCapture、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenRoads Designer、Pointools、ProjectWise、ProjectWise 365
FINALIST
Brown and Caldwell
完全なコラボレーションプロジェクトにおけるデジタルツインの実装
場所: 米国、コロラド州、ブライトン
画像出典: Brown and Caldwell
プロジェクトの概要
多分野型エンジニアリング企業のBrown and Caldwellは、BIMプロセスの推進とデジタルツインアプローチの採用によって、コラボレーションとデータフローを改善しようとしていました。以前は各種アプリケーションからモデルをエクスポートしていたため、大型プロジェクトではそれだけで週に最大10~12時間もかかっていました。多種多様な設計ツールの統合や、設計から建設、運用、メンテナンスにわたる継続的なデータの応用という課題にも直面していました。そこで目を向けたのが、コネクトデータ環境で相互運用可能なモデリングプラットフォームでした。
Brown and Caldwellはクライアントが求める成果を実現するため、使用しているソフトウェアに対応したデジタルツインソリューションを構築できるOpenPlantとPlantSightを採用しました。リアルタイムの統合コラボレーション環境で作業できるようになったことで設計レビューが改善され、変更管理とプロジェクトデリバリ管理を強化できました。高度なデジタル化とコラボレーションを通じて、建設だけにとどまらず運用に至ってもモデルを維持できることの価値が明確になっただけでなく、建設の変更が5%以上減少し、建設コストの削減額は700万米ドルにのぼると予想されています。
プロジェクトプレイブック: AutoPIPE、iTwin.js、iTwin Design Insights、iTwin Design Review、iTwin Design Validation、OpenPlant、PlantSight、ProjectWise
上下水道および雨水ネットワーク
受賞者とファイナリスト
WINNER
Companhia Águas de Joinville(CAJ)
干ばつ時に給水を確保する緊急時対応計画(Joinville-Santa Catarina)
場所: ブラジル、サンタ・カタリーナ州、ジョインヴィレ
画像出典: Companhia Águas de Joinville(CAJ)
プロジェクトの概要
ジョインヴィレ市は過去30年間で最も深刻な水の危機に見舞われました。約60万人が暮らすこの自治体で水衛生サービスの提供を担うCAJ-Joinville Water Companyでは、干ばつの状態が悪化しても給水を維持できるよう、緊急時対応計画を策定するプロジェクトに着手しました。予備調査では3つの案について評価を行いました。ところが、当初のソリューションでは水流が不十分で、給水システムの最も弱い地点では水不足となり、給水効率も低下することになってしまいました。その結果、自治体全体の給水網について、より包括的な調査の実施が必要となりました。
CAJ(Joinville Water Company)はOpenFlows WaterGEMSを使用して配水システムのデジタルツインを作成し、285キロメートルに及ぶ給水網のモデリングを行いました。水理モデルを使って新しい緊急時対応計画をシミュレーションすることで、深刻な干ばつが発生した場合でも確実に給水を維持できる最適なソリューションを決定し、その一方で当初の案から約450万ブラジルレアルを削減できました。Bentley製品を活用したシナリオで、給水効率を改善しつつ、給水コストの削減と年間574メガワットのエネルギー消費量削減を実現しました。
プロジェクトプレイブック: OpenFlows WaterGEMS
FINALIST
ATLC Infraconsultants Pvt. Ltd.
レデュキ村落給水計画
場所: インド、ウッタルプラデシ州、ミルザープル
画像出典: ATLC Infraconsultants Pvt. Ltd.
プロジェクトの概要
ミルザープルは4,525平方キロメートルに広がる地域で、個人宅や公共の場にある手押しポンプの水が利用されています。レデュキ村落給水計画では、128の村全体に処理水が均等に行きわたるよう、配管給水システムが提案されています。このプロジェクトでは地形が問題となり、従来技術のアプリケーションでは正確な可視化と給水網の計画ができませんでした。そのためプロジェクトチームは、最適な給水網敷設の決定、配水管理区域の計画、設備の安全性の確保、デジタルによる成果物のクライアントへの提供を行うために、包括的な水理モデリング技術が必要となりました。
そこで、OpenFlows WaterGEMSを採用し、プロジェクトの実施場所と新しい配水管網のモデリングと可視化を行いました。このソフトウェアを使用したことで、125キロメートルのポンプ給水本管を解析し、設計案の最適化を図りつつ、電気と機械のコスト、ポンプ設備関連の運用コストとメンテナンスコストを削減できました。高架給水タンクと水処理プラントの構造設計は、STAADでスムーズに進めることができました。Bentleyの統合テクノロジソリューションの使用によって、予定より約1か月も早いプロジェクトデリバリを実現できました。
プロジェクトプレイブック: OpenFlows WaterGEMS、STAAD
FINALIST
Maynilad Water Services Inc.
OpenFlows WaterGEMSを使用した水理モデリングによるポンプ運用の最適化
場所: フィリピン、マニラ、モンティンルパ市
画像出典: Maynilad Water Services Inc.
プロジェクトの概要
Maynilad Water Servicesはマニラ首都圏西地区において、108万本の給水管を敷設した67のポンプ給水地域を運営しています。同社では、コスト効果を高めて効率的にポンプを運用するため、ポンプ場とインラインブースターの管理を欠かさず行っています。しかし、各種データベースを使用して手作業で管理していたため、負荷が大きすぎて、給水の利益がまったく出ないことも少なくありませんでした。そこで、ポンプの運用を最適化するため、統合デジタルソリューションを導入することにしました。
Maynilad Water Servicesは水理モデリングとデータ解析のためにOpenFlows WaterGEMSを採用し、ポンプの運用最適化プロセスをデジタル化して、選定した先行施設でプロセスのパイロット運用を実施しました。相互運用性に優れたBentleyのオープンアプリケーションでデータの統合が容易になり、施設ネットワークの統合デジタルツインを構築できました。このモデルに基づいてポンプの非効率な部分を特定し、メンテナンスで修正した結果、プラントの電力消費を13%抑え、年間4,000米ドルを削減できる見込みとなりました。この結果を受けて、全67か所のポンプ場でデジタルツインを使用した最適化が進み、エネルギー総消費量、コスト、二酸化炭素排出量の削減に大きく役立っています。
プロジェクトプレイブック: OpenFlows WaterGEMS
Founders’ Awards受賞者の皆さん、おめでとうございます
デジタル化、ES(D)G(持続可能な開発目標の推進)、iTwin、インフラ関連の職業的能力向上における進展が見られた、インフラ業界のリーダーおよびプロジェクトは次のとおりです。