2022年度の受賞者
受賞者とファイナリストの皆さん、おめでとうございます。
このページのプレゼンテーションでは、Bentleyのユーザーが最新のデジタル化推進技術を活用して、プロジェクトの課題を克服し設定目標を達成するまでのストーリーを紹介しています。これらの10分間のビデオで、2022年度のファイナリストがどのようにデジタル化を行っているかをご確認ください。
2022年度受賞者・ファイナリストの紹介
2022 Going Digital Awards in Infrastructureのカテゴリは、設計、建設、運用など、あらゆるタイプのインフラプロジェクトやその各段階を対象としています。
各カテゴリに応募されたプロジェクトは、各カテゴリに応じた審査基準に照らして第三者審査員団によって審査されます。
橋梁・トンネル
受賞プロジェクト
Ferrovial ConstructionおよびAlamo Construction
州間高速道路35号線の北西延伸計画における中央セクション
場所: 米国、テキサス州、サンアントニオ
プロジェクトプレイブック: iTwin、MicroStation、OpenBridge、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: Ferrovial ConstructionおよびAlamo Nex Construction
プロジェクト概要
テキサス州運輸局(TxDOT)は、州間高速道路35号線の北東延伸(NEX)幹線道路の交通量を増やすために、高架橋を建設して各方向の車線を3車線ずつ増やす、総工費14億5,000万米ドルのプロジェクトに着手しました。このプロジェクトでは、全長21.8マイルの高架橋と2か所のインターチェンジに加えて、排水システム用の配管を設計し、建設する必要がありました。TxDOTは、この業務委託をFerrovial Constructionに発注しました。Ferrovial Constructionは、限られた空間を使って複雑な橋梁構造を既存の設備やインフラストラクチャに統合させるという課題を克服しなければなりませんでした。従来の2Dによる設計手法ではコストがかかり効率的でないことに気付いた同社は、共同作業型の3Dテクノロジソリューションを探す必要がありました。
Ferrovial Constructionは、ProjectWiseとBentley iTwinプラットフォームを使用して、情報交換を円滑にし、デジタルツインを開発することにしました。同社は、Bentleyのアプリケーションとモデルを使用してクラッシュ検出を実行して、3,530か所の衝突を回避し、可視性について複数の問題を特定および解決しました。また、建設チームに材料の情報を正確に提供することで、コストと時間の大幅な削減に成功しました。
ファイナリスト
中国建築西南設計研究院有限公司
成都市の東西都市軸の第2区間でのコラボレーションを推進する高度なBIM技術の適用
Location: 中国、四川省、成都
プロジェクトプレイブック: LumenRT、OpenBridge、OpenRoads
画像出典: 中国建築西南設計研究院有限公司
プロジェクト概要
東西都市軸は、成都・重慶双子都市経済圏をつなぐ重要な輸送ルートです。中国建築西南設計研究院有限公司(SMEDRI)は、このルートの第2区間の設計業務を請け負いました。第2区間は全長11キロメートルに及び、インターチェンジ、橋梁、トンネルが含まれていました。交通量の多いこの軟岩トンネルは、複雑な地下配管システムを伴うものであったため、多分野型チームは設計と調整の面で課題に直面しました。SMEDRIは、計画から建設までの共同作業型のデジタルワークフローを構築しようと考えましたが、それには統合されたBIM技術が必要でした。
同社はOpenBridge ModelerとOpenRoadsを採用し、3Dパラメトリック設計を行いました。これは、橋梁モデルやトンネルモデルを迅速に作成するのに役立ちました。Bentleyの統合されたモデリングアプリケーションと解析アプリケーションを使用し、同社は132か所のクラッシュを特定して解決しました。その結果、設計サイクルの20%短縮と数百万元のコスト削減ができました。共同作業型のデジタルプラットフォームで作業することで、設計品質を向上させ、リスクを軽減し、デジタル基盤を構築できたことで、近代的なスマートシティインフラストラクチャを迅速に建設できるようになりました。
ファイナリスト
自貢市城市規劃設計研究院有限責任公司
自貢市の富順県および栄県間の都市産業集積ベルト地帯インフラ建設プロジェクトのセクションCおよびD
場所: 中国、四川省、自貢
プロジェクトプレイブック: LumenRT、OpenBridge、OpenRoads
画像出典: 自貢市城市規劃設計研究院有限責任公司
プロジェクト概要
都市産業集積ベルト地帯の建設は、自貢市を成都・重慶双子都市経済圏に組み入れるうえで重要なプロジェクトとなっています。このプロジェクトには、土地取得の難しさ、複雑な交通規制や地下配管システムといった課題がありました。これらの課題に対応し、設計、建設計画、およびエンジニアリング業務との相乗効果を達成するために、自貢市城市規劃設計研究院有限責任公司で分野横断的に組織されたプロジェクトチームは、従来の設計手法にイノベーションを起こしたいと思いましたが、それには統合型BIMソリューションが必要でした。
同社はOpenBridgeとOpenRoadsを採用し、オープンなコネクトデータ環境とデジタル建設管理プラットフォームを構築しました。計画した建設スケジュールに3Dモデルをリンクさせることで、プロジェクトがスケジュールから遅れないようにしました。また、Bentleyのアプリケーションを使用して、現場で作業する前に問題を特定することで、プロジェクト管理を全体的に改善しました。このソリューションによって、設計品質を向上させ、リスクを軽減し、時間とコストを削減できました。このプロジェクトは、デジタル都市の計画と建設における将来のBIMアプリケーションのベンチマークを示しつつ、自貢市のスマートシティ化を推進しています。
建設
受賞プロジェクト
ACCIONA
デジタル建設を活用した危険な踏切の撤去
場所: オーストラリア、ビクトリア州、メルボルン
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin.js、LumenRT、MicroStation、OpenBridge、OpenRail、OpenRoads、ProjectWise、SYNCHRO
画像出典: Acciona
プロジェクト概要
メルボルンの踏切撤去計画の一環として、フランクストン沿線の20か所の踏切を撤去し、新たに13か所に駅を建設する、総工費7億4,400万豪ドルのプロジェクトが発足しました。チームは、設計を効率的に進めてプロジェクトをスケジュール通りに完了させる必要がありましたが、関係者が大勢いる混雑した区間で作業するにあたり、建設計画上でいくつかの課題に直面しました。加えて、以前の戦略はコンテキストや全体的な連結性が欠落しており、施工順序も視覚的に伝達できるものではありませんでした。このため、デジタルアプローチをよりシームレスで統合されたソリューションにアップグレードする必要がありました。
Bentleyの共同作業型のモデリングおよび建設シミュレーションソフトウェアであるSYNCHRO 4Dを活用しました。ワークフローの合理化、施工性に関する情報提供の大幅な改善、工事の監視を実現するために、コネクトデータ環境を構築し、デジタルツインを作成しました。SYNCHROを導入したことで、チームでは準備時間を67%短縮し、製図に関する依頼を約88%削減できました。SYNCHROは、乗客や一般市民に対する弊害を最小限に抑えながら、プロジェクトをスケジュール通りに完了するのにも貢献しました。これで作成されたデジタル資産によって、インテリジェントでデジタルなビクトリア州を実現するという新たな機会も開かれました。
ファイナリスト
中鉄18局集団有限公司
珠江デルタの大水深水輸送トンネルへのBIM技術の適用
場所: 中国、広東省、仏山
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenRoads、PLAXIS、SYNCHRO
画像出典: 中鉄18局集団有限公司
プロジェクト概要
珠江デルタ水資源配分プロジェクトは、広東省でこれまで行われた治水プロジェクトとしては最大の投資額を誇ります。このプロジェクトによって、より安定的な水の供給と給水能力の向上が実現されるとともに、地域における持続可能な開発も推進されます。中鉄18局集団有限公司は、大水深2路水輸送トンネルの建設と施工を請け負っていますが、これは全長113.2キロメートルの輸送ラインとともに地下70メートルに位置しています。プロジェクトでは、地形や地質が複雑であるために、多数の技術的な難しさ、調整上の課題、安全上のリスクを抱えており、チームは統合されたBIMおよびGISテクノロジソリューションを必要としていました。
中鉄18局集団有限公司は、BentleyのBIM、リアリティモデリング、および地盤工学解析のアプリケーションをSYNCHROと一緒に使って、コネクトデータ環境を構築し、ライフサイクル全体をデジタルで管理するプラットフォームを作成することで、共同作業の効率を50%近く向上させました。同社は、デジタルワークフローや建設シミュレーションを通じて建設計画や組織を最適化することで、建設期間を62日短縮し、コストを870万人民元削減することに成功しました。この統合されたデジタルソリューションは、同様のプロジェクトの基盤となり、中国全土でスマートな治水が推進されています。
ファイナリスト
DPR Construction
RMR 20 Mass Ave NWの再開発
場所: 米国、ワシントンD.C.
プロジェクトプレイブック: SYNCHRO
画像出典: DPR Construction
プロジェクト概要
この複雑なプロジェクトでは、ワシントンD.C.のマサチューセッツアベニューにある古いオフィスビルを、体験型の都会のスポットに変えることが求められていました。その一環として、300,000平方フィートの元の20 Massビルを縦と横の両方向に拡張して、総面積を523,000平方フィートに増やす必要がありました。DPR Constructionは、設計および建設前の広範囲にわたる計画を共同で行った結果、プレハブ工法ならプロジェクトをスケジュール通りに遂行し、地域住民への影響を最小限に抑えられる可能性があることを見出しました。ところが、他の作業やプロジェクトのスケジュールに影響を与えることなくプレハブモジュールを設置するにあたって課題に直面しました。
同社は、SYNCHRO 4DとSYNCHRO Controlを選んで、建設スケジュールを3Dモデルにリンクさせることにしました。これにより、チームは、デジタルの没入型環境で計画を視覚化して伝達できるようになりました。SYNCHROにより、全体の建設スケジュールに従って、何にも邪魔されることなくプレハブを配送および設置できるようになりました。また、共同作業型の視覚的な4D環境で作業することで、建設スケジュールを2か月短縮できました。さらに、既存の20 Massビルの構造を転用することで、6,905メートルトンのCO2排出量を削減できました。
エンタープライズエンジニアリング
受賞プロジェクト
Mott MacDonald
環境庁のためのスマートオブジェクトライブラリ
場所: 英国
プロジェクトプレイブック: ProjectWise
画像出典: Mott MacDonald
プロジェクト概要
Mott MacDonaldは、環境庁(EA)による資産の効率的な設計と管理を支援するために、EAとそのサプライチェーンパートナーが利用できるスマートオブジェクトライブラリ(SOL)を作成することにしました。ところが、組織をまたぐ共同作業について安全性を確保し、各スマートオブジェクトに最適なパラメトリック機能を持たせるにあたって課題に直面しました。同社は、さまざまなソフトウェアアプリケーションを調べましたが、いずれもスマートオブジェクトをホストするために必要な機能や順応性を備えていないことがわかりました。このためチームは、包括的で相互運用可能なデータコネクトソリューションを必要としていました。
Mott MacDonaldが選んだのはProjectWise Components Centerでした。このソリューションは、他のプラットフォームよりもアクセシビリティと相互運用性に優れており、多数のファイル形式に対応し、幅広いプロジェクト部門やサプライヤが利用できました。デジタルコンテンツの再利用が可能になったことで、SOLの導入以降、少なくとも79,000英ポンドが節約されました。ライブラリに組み入れられるスマートオブジェクトは増え続け、ますます多くのユーザーが利用できるようになっているため、ROIは大幅に高くなっています。EAでは現在、効率性、持続可能性、および二酸化炭素排出量を考慮した設計のオプショニアリングができ、それをコストの削減やネットゼロ目標の達成に役立てています。
ファイナリスト
NATIONAL HIGHWAYS
複雑なインフラプログラム – A303のProjectWiseおよびiTwin導入パイロットプロジェクト
場所: 英国、ウィルトシャー州
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin.js、Orbit 3DM、ProjectWise
画像出典: National Highways
プロジェクト概要
A303ストーンヘンジトンネルは、深刻な交通渋滞の緩和とストーンヘンジ世界遺産遺跡の保全を目的とした幹線道路改築計画の一部です。National Highwaysは、情報管理を改善するためのビジネス要件、サプライチェーンプロセス、およびテクノロジソリューションの審査を実施しました。これまで、エンジニアリングデータは部門間で分断されており、National Highwaysはそれらをサプライチェーンを通じて受け取っていたため、データの審査や調査には苦労が伴いました。データの忠実性を維持しながら情報を整理するために、National Highwaysは、エンジニアリング情報をデジタルで管理する必要がありました。
National Highwaysは、A303プロジェクトに関する設計データの交換や管理に、試験的にProjectWiseとiTwinを使うことにしました。この統合されたデジタルソリューションによって、Webでアクセスできる共同作業型のプラットフォームを実現しました。その結果、データ統合プロセスの効率を50%、データ交換プロセスの効率を70%向上させることができました。National Highwaysは、Bentleyのアプリケーションを通じてサプライチェーンのデータをより積極的に使用して、コストやリスクに対する理解を深めました。多くの情報に基づいて迅速に意志決定ができるようになり、建設後の資産からより良い成果を生み出すことにつながっています。
ファイナリスト
WSB
デジタルでの竣工時概念実証
場所: 米国、ミネソタ州、エルクリバー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、OpenBridge、OpenRoads、ProjectWise、SYNCHRO
画像出典: WSB
プロジェクト概要
道路のライフサイクル管理と長期的なメンテナンスに対応することを目的としたミネソタ州運輸局(MnDOT)のTH 169エルク川再整備計画の一環として、WSBは複雑な3Dモデル情報を設計、建設、および資産管理の各チームの間で共有したいと考えていました。同組織は、建設データを使った設計モデルの更新と、資産管理システムへの情報の統合という課題に直面しました。そこで、貴重な情報を損なうことなく、すべてのデータを統合できるオープンなデジタルプラットフォームが必要になりました。
WSBは、OpenRoadsとiTwinを利用して、データをMnDOTやその他の資産管理システムから設計モデルにインポートし、それらを建設プロセスデータに統合しました。Bentleyのアプリケーションにより、コストと工数を削減できただけでなく、竣工モデルを作成することもできました。概念実証が、デジタルツインの価値を実証しています。デジタルツインにより、MnDOTの12ある資産クラスの運用に関して情報がリアルタイムで得られるため、ライフサイクルのメンテナンスが容易になります。また、資産のニーズを特定することで、プロジェクトスコーピングの業務にかかるコストを数百万ドル節約できました。
施設・キャンパス・都市
受賞プロジェクト
シドニー空港
Maps@SYD
場所: オーストラリア、ニューサウスウェールズ州、シドニー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、LumenRT、MicroStation、OpenCities、Orbit、ProjectWise、SYNCHRO
画像出典: シドニー空港
プロジェクト概要
906ヘクタールに及ぶ敷地面積を持つシドニー空港には、3本の滑走路と3か所のターミナルに加えて、400棟を超える建物があります。施設の役員は、施設の計画と運用を支援するために、クラウドベースのセルフサービスポータルを導入するプロジェクトに着手しました。ポータルは、空間情報と調査情報を統合し、組織のすべてのスタッフがアクセスできるものである必要があります。複雑で膨大なデータ、互換性に関連した問題、多様なユーザー層といった課題に直面したシドニー空港は、オープンで使いやすいデジタルプラットフォームを必要としていました。
Bentleyのモデリングアプリケーションやマッピングアプリケーションにすでに精通していたチームは、OpenCitiesを選んで、複数のシステムから収集されたさまざまな種類の財務データや資産データ、メタデータ、モデル、ドキュメントを統合しました。この統合によって、リアルタイムのコラボレーション機能や3D表示機能が実現され、計画、監査、施設管理で使えるようになりました。オープンなデジタル環境にアクセスできるようになったことで、効率化が進み、生産性や成果物の品質が向上するとともに、すべての部門でコストと工数を削減できました。このソリューションは、デジタル化をさらに前進させ、空港のデジタルツインの基盤となっています。
ファイナリスト
カウナス工科大学
カウナスデジタルツイン
場所: リトアニア、カウナス
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、LEGION、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenCities
画像出典: カウナス工科大学
プロジェクト概要
スマートシティとインフラストラクチャに焦点を合わせたコミュニティの構築、維持、および開発を支援するために、カウナス工科大学は、大学のキャンパスに重点を置きながら、他の組織と協力して都市の構築環境のデジタルツインを開発することにしました。モデリングは時間のかかる作業であったため、チームはデータの取得や処理を高速かつ正確に行えるテクノロジを求めていました。以前のCADベースのアプリケーションは、スピードと相互運用性に欠けていました。そのため、カウナス大学が必要としたのは、複数のソースから収集したデータを迅速に処理できる統合テクノロジソリューションでした。
同大学は、ContextCaptureをOpenCities PlannerおよびiTwinと組み合わせて利用し、都市とキャンパスのリアリティモデルを生成してデジタルツインを構築しました。Bentleyのアプリケーションによって、その地域を正確にモデリングしながら、多分野にわたる統合を速やかに行い、時間を節約できました。このソリューションを使用して、大学の既存インフラストラクチャの仮想ツアーを作成し、MLab建築プロジェクトをデジタル化しました。チームは、iTwinプラットフォームで作業する中で、新しい建物のデジタル表現をライブのIoTデータで拡張して屋内の室温条件を解析し、エネルギー消費の最適化に役立てました。
ファイナリスト
国際航業株式会社
Project PLATEAU: 日本最大の3D都市モデルプロジェクト
場所: 日本、静岡県沼津市/石川県加賀市
プロジェクトプレイブック: Descartes、MicroStation
画像出典: 国際航業株式会社
プロジェクト概要
Project PLATEAUでは、日本最大規模となる56都市の3D都市モデルを作成し、都市活動やスマートシティ管理向けにオープンプラットフォームのデータとしてリリースして利用を促進することを目指しています。国際航業株式会社は、このプロジェクトの3Dモデリングを実施し、それをより詳細なものにすることに取り組みました。ところが、地下通路や交通インフラなどの入り組んだ空間や複雑な形状をモデルに組み込むにあたって課題に直面しました。
同社はMicroStationを選びましたが、そのおかげで国内の17都市についてこれまでにないほど詳細な3Dモデルを作成できました。Bentleyのソフトウェアを使用することで、ワークフローの効率化を図って工数を約50%削減しただけでなく、膨大なポイントクラウドデータを快適にモデリングできるプラットフォームを提供することもできました。この技術によって実現された非常に詳細な3Dモデルのおかげで、これまでのどのモデルよりも現実に近いシミュレーションができるようになり、日本中でスマートシティ管理が推進されています。
ジオプロフェッショナル
受賞プロジェクト
Mott MacDonald
GeoBIMによる資材再使用の効率および持続可能性の促進
場所: 英国、ウェストミッドランド州、バーミンガム
プロジェクトプレイブック: Keynetix、OpenRoads、ProjectWise、Seequent
画像出典: Mott MacDonald
プロジェクト概要
全長90キロメートルに及ぶHS2のフェーズ1の路線では、約2,500万立方メートルの資材を掘削する必要があります。その大規模な土工工事は、二酸化炭素の最大の発生源の1つとなっていました。統合プロジェクトチーム(IPT)は、大量運搬による効率化によって、無駄になる資材を最小限に抑制できることを確認し、二酸化炭素排出量を50%削減するというHS2の目標の達成を支援する必要がありました。IPTは、再利用のために資材の種類を正確に理解する必要がありましたが、地盤工学や調整の面で従来の評価方法では対応できない課題に直面し、統合されたデジタル地質情報ソリューションを必要としていました。
チームは、Bentleyのサブサーフェス会社であるSeequentから提供されているCentralアプリケーションとLeapfrogアプリケーションをProjectWiseと組み合わせて利用しました。そして、提案された土工掘削エリア内の地盤調査データの3D空間評価に基づいた、共同作業型のGeoBIM評価手法を開発しました。特定の土工断面の形状をモデル化することで、建設中の大量運搬の動きを最適化し、プロジェクト全体で資材の再利用に関する有用な情報を得られるようになりました。こうした3Dモデルは、デジタルツインの開発の基盤となり、将来の土工プロジェクトにも役立てられます。
ファイナリスト
GHD
クレスブルックダムにおけるデジタルソリューションを使用した地質データの統合
場所: オーストラリア、クイーンズランド州、トゥーンバ
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、gINT、Leapfrog、Seequent
画像出典: GHD
プロジェクト概要
クレスブルックダムは、トゥーンバとその周辺のクイーンズランド地域の主要な水源となっています。長年にわたってダムの管理を任されてきたGHDは、膨大な量の記録書類のほか、複数のソースから収集されたデジタルの地質データと地図を利用しています。そのため、同社はそれらの記録情報を単一のデジタルデータソースに変換したいと考えました。同社は、地質データを収集して統合する際の課題に直面しました。従来のアプローチでは時間がかかりリスクが大きく、デジタルデータの取得とモデリングのための統合ソリューションが必要であることに気付きました。
GHDはContextCaptureを選択して、既存の条件の3Dリアリティメッシュを作成し、現地調査のコストを80,000豪ドル削減することに成功しました。Leapfrogを使用することで、過去の地図を重ね合わせて設計レイヤーをインポートし、1983年当時の地質モデルを再現して、3Dに拡張できるようになりました。デジタルモデルは、ダムの基礎、地質学的なコンポーネント、およびリスクを理解するうえで非常に重要であるだけでなく、今後改修や設計業務を行ううえでも欠かせません。デジタル資産はTRCによって保持されているため、このモデルによって何十年間にもわたりダムの安全性と信頼性を確保できます。
ファイナリスト
PT HUTAMA KARYA(PERSERO)
セマントクダムプロジェクト
場所: インドネシア、東ジャワ州、ヌガンジュク
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、PLAXIS、SYNCHRO
画像出典: PT Hutama Karya(Persero)
プロジェクト概要
東ジャワ州のヌガンジュクの低地と山岳地帯に囲まれて位置するセマントクダムは、洪水流量を減らし、水資源を確保することに加えて、周辺地区の農業生産性を186.33%向上させることを目的としており、持続可能なインフラストラクチャソリューションとして社会を支えています。この建設工事の大部分を請け負ったPT Hutama Karyaは、効果的ではない基礎設計と岩塊量の不足に関連した地盤工学上の課題に直面しました。厳しい納期によって、状況はさらに悪化しました。これらの問題を決められた時間内にコスト効率良く解決するために、チームは統合された柔軟なテクノロジアプリケーションを必要としていました。
PT Hutamaは、ContextCaptureとSYNCHROを選んで、リアリティモデリングと建設シミュレーションを実施しました。プロジェクト管理情報システムとGISシステムを組み合わせて、現場の状況とプロジェクトの包括的な概要をリアルタイムで把握できるようにし、決められた時間内にコスト効率良く管理できるようにしました。PLAXISを使用することで、基礎や採石に関連した問題を解決し、手直しが発生した場合に想定された合計380万米ドルを節約できました。Bentleyの統合されたデジタルソリューションによって、建設スケジュールが183日短縮され、運用およびメンテナンス時のデジタル資産管理の基礎が構築されました。
電力網
受賞プロジェクト
POWERCHINA Hubei Electric Engineering Co., Ltd.
武漢市旭東の220kV変電所プロジェクトにおけるライフサイクル全体でのデジタル活用
場所: 中国、湖北省、武漢
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、OpenPlant、ProjectWise
画像出典: PowerChina Hubei Electric Engineering Co., Ltd.
プロジェクト概要
このプロジェクトは、中国中部で初めてとなる完全地下の220 kVの変電所で、武昌北部に住む20万人の住民に電力を供給するトップクラスの電力網を武漢に構築するための試験的な実証プロジェクトです。長江近くの人口密集地の地下で行われたこのプロジェクトでは、敷地と地盤工学的な制約のためにコンパクトなレイアウトが求められました。さらなる難題として、短い建設期間中に多数の部門にわたって調整を行う必要がありました。プロジェクトチームは、ライフサイクルの3Dデジタルワークフローを導入したいと考えており、統合されたテクノロジソリューションを必要としていました。
チームは、Bentleyの3Dおよびリアリティモデリング技術とProjectWiseを利用して、変電所のレイアウトを効果的に計画することで、総面積を52.42%削減したほか、50を超える手直しを回避し、プロジェクトの変更にかかるコストを300万人民元削減しました。さらに、共同作業型のデジタル設計ワークフローと建設ワークフローを通じて、754万人民元の投資コストを節約し、建設期間を30日間短縮しました。Bentleyのアプリケーションを使用して作成された変電所のデジタルツインは、国網公司の変電所プロジェクトにおいて、ライフサイクルの3Dデジタル化のベンチマークとなっています。
ファイナリスト
ESSENTIAL ENERGY
Essential Energyのインテリジェントな変電所設計
場所: オーストラリア、ポートマッコリー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、OpenUtilities、ProjectWise
画像出典: Essential Energy
プロジェクト概要
エネルギー部門が運用コストの削減をせまられる中で、Essential Energyは、ニューサウスウェールズ州に重要な経済的支援を提供する小規模な設備投資プロジェクトのための低コストかつ低リソースのソリューションを求めて、自社の設備投資プロジェクトを評価していました。同社は、特に小規模な公益事業プロジェクトについて、インテリジェントデジタル設計システム(IDDS)が実現可能かどうかを調べたいと考えていました。しかし、データの取得や互換性に関連した問題に直面しただけでなく、竣工時の設計に実際の建設を正確に反映させるという課題もあり、難しい状況となっていました。
Bentleyのアプリケーションにすでに精通していた同社は、ContextCaptureを使って各プロジェクトサイトのリアリティモデルを作成し、OpenUtilitiesを使って変電所の設計と解析を包括的に行いました。また、モデルやデータの管理と共有にはProjectWiseを使いました。これまで手作業であったプロセスを自動化することで、チームは設備投資ポートフォリオ全体で設計時間を大幅に短縮できました。また、同社のBentleyベースのIDDSによって、環境への影響を低減し、プロジェクト設計コストを50%削減できただけでなく、現場での手作業に関連したリスクも減りました。このデジタルソリューションは、より包括的なデジタルツインに移行してインテリジェントな資産管理と運用を実現するための基盤となっています。
ファイナリスト
国網衡水供電公司
送電および変電エンジニアリング建設でのBIM技術の包括的な適用
場所: 中国、湖北省、衡水
プロジェクトプレイブック: MicroStation、SYNCHRO
画像出典: 国網衡水供電公司
プロジェクト概要
青漢変電所プロジェクトは、衡水市古城県の電力網構造を改善し、電力供給を強化するために開始されました。20以上の分野と8つの省にわたる複数のサプライヤが関わるため、世界的パンデミックという状況でこのプロジェクトを管理することは困難を極めました。また、付近には稼働中の電力供給設備があり、土壌条件が軟弱であったことも新たな課題をもたらしました。プロジェクトチームは、電力網建設の新しい方法としてBIMプロセスを検討しようとしており、また、統合デジタルソリューションを必要としていました。
チームは、MicroStationとSYNCHROを利用して、共同モデリング、衝突検知、建設シミュレーションを行うことで、設計と建設を最適化しながら、合計538,100人民元を削減することに成功しました。デジタル環境で作業することで、地耐力の不足や、建設スペースが狭いことに関連した安全上のリスクを効果的に解決できました。Bentleyの包括的なBIMソリューションにより、建設期間が74日間短縮されただけでなく、完全にデジタルなライフサイクル運用とメンテナンス向けに、電力網のデジタルツインの開発基盤を構築できました。
プロセス・発電
受賞プロジェクト
OQ Upstream
目的をもったOQの資産信頼性のデジタル化
場所: オマーン
プロジェクトプレイブック: AssetWise
画像出典: OQ Upstream
プロジェクト概要
総合エネルギー会社であるOQは、オマーン全土にわたって、数十か所のプラント、数千の資産、および全長4,500キロメートルを超えるパイプラインを運用および管理しています。同社は、アセットパフォーマンスや信頼性を向上させ、安全かつ信頼性の高いプラントの運用を確保するために、資産管理プロセスをデジタル化したいと考えていました。散在する紙ベースの資産データ記録や、これまでの事後対応型メンテナンスの方法では、コストがかかり効果的でないことがわかっていました。同社は、一元化されたデジタルアセットパフォーマンス管理(APM)システムを構築する必要性を見出していました。
同社は中央資産データ管理プラットフォームとしてAssetWiseを採用し、障害の報告や解析、資産の健全性指標、デジタル検査戦略を組み込んで、改良保全管理を行えるようにしました。デジタル化されたAPMシステムによって、資産の障害やプラントの計画外シャットダウンを減らし、フレアリングの環境リスクを最小限に抑えることができました。あるコンプレッサ設置場所では、APMの導入に基づくデジタルソリューションによって、総メンテナンスコストの14.8%削減と、機能的な障害の50%削減を実現しただけでなく、年間の運用信頼性を4.3%向上させることができました。同社はデジタル化をさらに進め、デジタルツイン開発の取り組みの一環として、APMを統合しています。
ファイナリスト
SARAWAK ENERGY BERHAD
バクン水力発電所のデジタルツインによるモダナイゼーション
場所: マレーシア、サラワク州、ビントゥル
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、iTwin.js、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenUtilities、PlantSight、ProjectWise
画像出典: Sarawak Energy Berhad
プロジェクト概要
Sarawak Energyは、2025年までのデジタルユーティリティ化を後押しするために、バクン水力発電所でデジタルツインのパイロットプロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、竣工図面が精度に欠けており、アクセスも制限されていたため、インテリジェントな3D発電所モデルを生成するのは簡単なことではありませんでした。ネットワーク速度が遅いこと、データファイルが大きいこと、またサードパーティ製アプリケーションとの互換性もそれに拍車をかけました。同社は、デジタルツインを生成するために、統合された共同作業型のモデリング技術を必要としていました。
同社は、ContextCaptureとMicroStationを利用して、高解像度の3Dリアリティモデルを生成することで、竣工設計図の作成に要する時間を70%短縮しました。Bentleyのオープンな3Dモデリングアプリケーションを統合することで、PlantSightで資産をより的確に視覚化でき、サードパーティ製プラットフォームとのシームレスな統合ができました。デジタルツインソリューションによって発電所のリモート運用を推進することで、オンサイトスタッフの必要性は30%減りました。同社は、デジタルツインをアセットパフォーマンスソリューションと統合することで、運用とメンテナンスのコストが低減することを期待しています。このパイロットプロジェクトの成功は、発電所の信頼性と効率性を高めるためにデジタルツインが不可欠であることを示しています。
ファイナリスト
Shell Projects and Technology
大水深プロジェクトデリバリのデジタルプラットフォーム
場所: 米国、テキサス州、ヒューストン
プロジェクトプレイブック: AssetWise、iTwin、iTwin.js、Orbit、PlantSight、SYNCHRO
画像出典: Shell Projects and Technology
プロジェクト概要
Shellは、プロジェクトデリバリの統合デジタルプラットフォームを導入することで、優れたコストパフォーマンスを維持しながら、二酸化炭素ネットゼロの目標の達成に取り組み、深海プロジェクトのプロジェクトサイクルタイムをさらに改善するために、メキシコ湾のプロジェクトのポートフォリオを特定しました。概念設計から引き渡し、さらに運用にまでわたる、このエンドツーエンドのデジタル化には、複数のソースから収集されたデータを統合するという課題がありました。これらの目標を達成するために、Shellはオープンで相互運用可能なテクノロジアプリケーションを必要としていました。
Shellは、数あるソリューションの中からPlantSightとAssetWise ALIMを利用して、プロジェクトの構想から、運用に使用するデジタルツインの作成、またそれ以降にわたって、信頼できる唯一の情報源を提供するデジタルプラットフォームを開発しました。統合されたデジタル環境で作業することで、データアクセス、視覚化、リモートコラボレーションが最適化されました。その結果、効率が向上し、プロジェクトチームが情報を見つけるまでの時間が50%短縮され、作業の重複もなくなりました。同社は、ワークフローのオーケストレーションをデジタル化し、エンドツーエンドのプロジェクトデリバリをサポートすることで、生産性の大幅な向上とコストの削減を実現できると期待しています。PlantSightデジタルツインソリューションは、プロジェクトの拡大や新しいプロジェクトの発生に合わせて拡張できます。
鉄道・運輸
受賞プロジェクト
PT Wijaya Karya (Persero) Tbk
ジャカルタ–バンドン高速鉄道と駅
場所: インドネシア、ジャカルタ–バンドン
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、MicroStation、OpenBridge、OpenBuildings、OpenRail、OpenRoads、PLAXIS、SYNCHRO
画像出典: PT Wijaya Karya (Persero) Tbk
プロジェクト概要
ジャカルタとバンドン間を結ぶこの統合型高速鉄道は、2つの都市間の混雑を緩和し、インドネシアに公共交通機関の発展をもたらすものとなります。全長143キロメートルに及び、さまざまな構造物を伴うこのプロジェクトには、地質条件や調整に関連した課題がありましたが、世界的なパンデミックの中、プロジェクトのスケジュールが早まったことで、さらに困難なことになりました。プロジェクトを率いる請負業者のPT Wijaya Karya(WIKA)は、それまでは2D設計や従来の調査方法を採用していましたが、遅延や追加コストが生じ、建設が非効率となりました。そのため、BIMおよびデジタルツインの統合型ソリューションの必要性を認識していました。
同社は、Bentleyのオープンな土木設計アプリケーションや、リアリティモデリングアプリケーション、それにデジタルツイン技術を利用して、連携されたデジタルエコシステムと信頼できる唯一の情報源を開発することで、動的モデリングやインテリジェントなデジタルツインの生成を容易に行えるようにしました。この統合ソリューションにより、ワークフローが合理化され、効率、設計の品質、計算能力が向上しました。その結果、建設コストは1億8,500万米ドル節約され、建設スケジュールは6か月短縮されました。インドネシアにおいてこのプロジェクトは、統合型公共交通機関向けのオープンなデジタルビルディングブロックを開発する際のベンチマークとなっています。
ファイナリスト
Arcadis
カーステアーズ
場所: 英国、スコットランド、グラスゴー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、LumenRT、MicroStation、OpenRail、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: Arcadis
プロジェクト概要
ウェストコースト本線を利用してイングランドからスコットランドに向かうすべての英国の鉄道乗客は、北行きの列車をグラスゴー行きとエジンバラ行きに分岐する主要な鉄道中継地の付近にあるスコットランド南部のカーステアーズ駅を通過します。乗客サービスを向上させ、低排出ガスの高速列車に対応するために、新方式の電化システムを設計する必要がありました。そのため、Network RailとBabcockとの間の提携であるRSAS(スコットランド鉄道システム提携)の一環として、Arcadisが採用されました。同社は、新しい設計要素を以前のモデリングアプリケーションに統合するのは大変であることに気付きました。
Arcadisは、Bentleyの連携したオープンなアプリケーションであれば、すべての設計作業を統合できると判断しました。Bentley iTwinプラットフォームを使用して、プロジェクトのデジタルツインを作成すると、RSAS関係者のコミュニケーションが改善され、設計内のクラッシュを早期に検出して解決できるようになりました。ProjectWiseでプロジェクト情報を最新の状態に保つことで、Webベースで分野横断的にプロジェクトレビューを行えるようになりました。Arcadisは、すべてのクライアント要件を満たし、設計を最適化できただけでなく、モデリング時間を35%短縮できました。
ファイナリスト
Oriental Consultants Global
マニラ首都圏地下鉄プロジェクト(MMSP) – フェーズ1
場所: フィリピン、マニラ首都圏
プロジェクトプレイブック: ComplyPro、iTwin、PLAXIS、ProjectWise、SYNCHRO
画像出典: Oriental Consultants Global
プロジェクト概要
フィリピン運輸省は、交通渋滞を緩和し、首都圏(マニラ首都圏)への安全で信頼性の高い交通手段を提供するために、マニラ首都圏地下鉄プロジェクト(MMSP)を開始しました。MMSPのフェーズ1路線は、6つの都市を横断しており、13の地下鉄駅と1か所の車両基地を擁して、その地上敷地面積は28.8ヘクタールに及びます。そのプロジェクトの規模のため、コミュニケーションや調整に関連した課題に現在のアプリケーションでは対応できなくなりました。そのためプロジェクトチームは、共同作業型のBIMワークフローや、先を見越したリスク管理、コスト監視を導入するには、コネクトデータ環境を確立する必要があることに気付きました。
プロジェクトチームは、ProjectWiseとComplyProを利用して、共通のデジタルエンジニアリングシステムと信頼できる唯一の情報源を確立しました。これにより、リアルタイムでデータを共有できるようになり、共同作業が最適化され、プロジェクトを開始してから6か月で5,000人時の工数削減につながりました。SYNCHROによる建設シミュレーションを組み合わせた、Bentleyの統合テクノロジソリューションによって、50か所のクラッシュを特定して解決できただけでなく、手直しをなくすこともできました。また、プロジェクトのスケジュールを短縮し、コストも削減されました。BIMの効果的な導入によって、すでに600,000米ドルを超えるROIが達成されています。
道路・高速道路
受賞プロジェクト
Waka KotahiおよびFH/HEB JV、BECA Ltd.
ワカコタヒおよびFH/HEB JVによるタキティムノースリンク
場所: ニュージーランド、ウエスタンベイオブプレンティ、タウランガ
プロジェクトプレイブック: iTwin、Leapfrog、LumenRT、MicroStation、OpenBridge、OpenRoads、OpenRoads ConceptStation、PLAXIS、ProjectWise
画像出典: Beca Ltd.
プロジェクト概要
タキティムノースリンクは、ワカコタヒ(ニュージーランド運輸局)によって2段階に分けて建設が進められているプロジェクトです。完成すれば、ウエスタンベイオブプレンティ地区でより多様な公共交通サービスの提供が可能となり、安全性も向上するため、経済発展や人口増加にも対応できます。第1段階は、10の橋梁と歩行者専用道路を含む6.8キロの高速道路の建設です。この道路は、既存のインフラや住宅による制約がある厳しい自然環境の中、Fulton Hogan/HEBの共同事業によって建設されます。また、設計を指揮するコンサルタント企業のBecaは、現場の複雑さに対処し、多分野にわたる大規模なプロジェクトチームをまとめるために、モデルベースの統合デジタルアプローチを導入することを望んでいました。
Becaは、Bentleyのオープンモデリングアプリケーションを採用し、制約の多い場所での建設を合理化するためにコネクトデータ環境とデジタルツインを構築しました。デジタルモデリングと3D視覚化を活用したコラボレーションにより、モデリングに要する時間が15%短縮し、設計効率が20%向上すると同時に、従来の設計手法に比べてより高品質な成果物を実現できるようになりました。またデジタルツインによって、建設作業や将来の道路運用の維持管理のためのデータ統合が可能になります。
ファイナリスト
AFRY
自動運転車および電動車のための新しい試験走行路
場所: スウェーデン、ストックホルム、セーデルテリエ
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: AFRY
プロジェクト概要
AFRYは、商用車メーカーであるSCANIAから電動および自動運転技術を搭載した大型車を試験走行するための新しい試験走行路を設計する業務を受注しました。試験走行路には、60か所以上の交差点や合流点がある19キロメートルの道路が含まれていましたが、複雑で起伏の多い路面条件であったため、レイアウトが難しくなることが予想されました。1つの要素の変更が他の多くの要素に影響を与えるため、同社は柔軟でアクセスしやすい設計環境を必要としていました。
AFRYは、Bentleyのアプリケーションであれば、厳密な変更管理と建設可能性を確保しながら、走行路をモデル化できると判断しました。同社は、それらのアプリケーションを使用して、プロジェクトデータで補強された正確な3Dモデルを作成しました。また、設計が環境に与える影響を検証し、必要な土工量を計算しました。モデル間で動的な関係を作成する機能によってモデリングの時間を30%短縮し、自動図面作成機能によって30人時の工数を節約できました。こうしたアプリケーションは、同社が設計段階でエラーを検出して取り除くのに役立ち、何百万スウェーデンクローナの手直しコストを回避できただけでなく、持続可能な輸送ソリューションの開発で先手を取ることにもつながりました。
ファイナリスト
Foth Infrastructure & Environment, LLC
ペリー市がFothと共同でデジタルツインを活用した革新的なデジタルマップ都市を制作
場所: 米国、アイオワ州、ペリー
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、MicroStation、OpenRoads、ProjectWise
画像出典: Foth Infrastructure & Environment, LLC
プロジェクト概要
ペリー市は、市民の交通アクセスを改善するため、モバイルLiDARスキャンによる道路と歩道の状態評価をFothに依頼しました。このプロジェクトはすぐに、市の設備改善計画(CIP)を進めるための市全体のデジタルツインプロジェクトへと発展しましたが、60マイル以上の道路と10マイルの路地をデジタル化するにあたり、技術的な課題が浮上しました。Fothは、膨大な地理空間データ、航空写真、ポイントクラウドを処理し、複数の関係者がデジタルでアクセスできるようにするための統合技術を必要としていました。
Fothは、Bentleyのオープンモデリングアプリケーションを活用して、デジタルツインを作成するための最適な計画を策定することで、大幅な時間の節約と潜在的な手戻りの削減に成功しました。500ギガバイトの3D都市モデルには、約5億9,800万米ドル相当の資産データが含まれています。デジタルツインによって構造に関する履歴データのポートフォリオを提示すれば、潜在的な投資家がペリー市への投資意欲を高め、今後5年間で個人投資家による投資を50%増やすことができます。デジタルツインの導入により、ペリー市では資金を確保する能力が75%向上し、CIPの実施を60%早めることができました。
構造エンジニアリング
受賞プロジェクト
WSP
Bentleyの革新技術を用いて設計を最適化した、WSPによるUnity Placeのデリバリ
場所: 英国、バッキンガムシャー、ミルトンキーンズ
プロジェクトプレイブック: PLAXIS、RAM
画像出典: WSP
プロジェクト概要
ミルトンキーンズに位置するUnity Placeは、Santander Bankの新しい本社となり、既存の4つのオフィスビルを統合して最先端の施設に生まれ変わることになっています。この施設は、優れた環境持続可能性と健康増進の実現を視野に、環境に優しい効率的なスペースとして設計、建設される予定です。既存の84,000平方メートルの駐車場を含む、この持続可能な建築プロジェクトには、建築、地盤工学、構造エンジニアリング上の課題がありました。構想から完成までの多分野にわたるエンジニアリングサービスに携わるWSPは、持続可能な建築ソリューションを特定するには、構造と地盤工学の統合型モデリングおよび解析アプリケーションが必要であることを認識していました。
持続可能性の目標を達成しながらも、建設予算とスケジュールに従うために、WSPはPLAXISとRAMを採用し、設計を簡略化してワークフローを合理化しました。Bentleyのアプリケーションを使用して、1万6,000トンのコンクリートと120万6,000英ポンドの材料費を節約するコンクリートソリューションを選びました。その統合テクノロジによって設計時間が短縮されたことで、さらに2万英ポンドを節約できました。また、革新的な構造ソリューションの導入が推進され、2030年の二酸化炭素排出量目標をすでに超えることができました。このプロジェクトは、新しい商業ビルの持続可能な設計においてベンチマークとなっています。
ファイナリスト
DELHI METRO RAIL CORPORATION LIMITED
デリー・メトロ、フェーズ4のクリシュナパークのトンネルおよび地下鉄駅の設計と建設
場所: インド、ニューデリー
プロジェクトプレイブック: PLAXIS、STAAD
画像出典: Delhi Metro Rail Corporation Limited
プロジェクト概要
Delhi Metroフェーズ4延長計画では、Delhi Metroを既存の390キロメートルからさらに約62キロメートル延長します。インドにおける大量輸送に革命をもたらしたDelhi Metroは、信頼性が高く環境に優しいサービスを提供しながら、交通事故と車両による二酸化炭素排出量の最少化にも一役買っています。この延長計画の一部であるクリシュナパークプロジェクトには、複数のめがねトンネルと地下鉄駅1か所の構造設計と建設が含まれています。人口密度の高い都市部に位置し、沖積土という土壌条件があるこのプロジェクトには、構造と地盤工学上の課題があり、統合型BIMソリューションが必要とされていました。
プロジェクトチームはPLAXISとSTAADを利用して、土壌、建物、トンネルの構造をモデル化して解析し、構造荷重や掘削作業を監視およびシミュレーションしました。Bentleyの統合型BIMアプリケーションによってワークフローを合理化したことで、クラッシュ検出を容易に行えるようになり、現場で作業する前にリアルタイムでモデルを修正できるようになったため、1,000人時の工数と関連するコストが削減されました。チームは、共同作業型のデジタルによるモデリングと解析を通じて構造設計を最適化することで、コンクリート資材の量を約1,500立方メートル、鉄骨を250メガトン削減することに成功しました。
ファイナリスト
Sinotech Engineering Consultants, Ltd.
台湾電力彰化県沖の洋上ウィンドファーム、フェーズ2プロジェクト
場所: 台湾、彰化県
プロジェクトプレイブック: OpenWindPower Fixed Foundation、SACS Pile Structure Design、SACS Wind Turbine Analysis Cloud Services
画像出典: Sinotech Engineering Consultants, Ltd.
プロジェクト概要
300メガワットの総発電能力を備え、年間10億キロワット時以上の電力を供給するTPC彰化洋上ウィンドファームのフェーズ2プロジェクトでは、約27万世帯にカーボンフリーの電力を供給することになっています。Sinotechは、その風力タービン発電機の支持構造を設計しており、何千もの荷重条件を考慮する必要がありました。複雑な形状と膨大なデータに直面した同社は、決められた時間内に設計を完了するために、洋上構造の設計と解析のためのクラウドベースの技術を必要としていました。
同社は、SACSを採用して荷重シミュレーションを8万回実行し、数ペタバイトのデータを生成しました。動的なモデリングおよび解析環境を提供するBentleyのアプリケーションにより、従来の方法では3か月半かかっていたシミュレーションが1か月半で完了しました。ソフトウェアの包括的な自動計算機能により、設計時間は60%短縮され、ローカルストレージスペースも約5ペタバイト節約できました。
測量・モニタリング
受賞プロジェクト
シンガポール土地管理局
モバイルマッピングを活用したSGデジタルツイン
場所: シンガポール
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、Orbit 3DM
画像出典: シンガポール土地管理局(SLA)
プロジェクト概要
シンガポール土地管理局(SLA)は、レジリエンスと持続可能性を備えたスマート国家を築くために、「一度の取得で多くの人が利用」という目標を掲げ、空中マッピングと路上でのモバイルマッピングによるシンガポール3D全国マップの作成に着手しました。このプロジェクトでは、空から撮影したデータとモバイルで撮影したデータを統合する際に課題がありました。それに加えて、6,000億個のポイントクラウドを修正し、25テラバイトのモバイルマッピングデータを政府機関や関係者と共有するという難しさもありました。
SLAは、大量のデータを管理し、デジタルツインを開発するための包括的なWebベースのアプリケーションを必要としていました。同社はOrbit 3DMを採用して、大量のポイントクラウドと画像を管理および統合してから、デジタルツインを生成しました。クラウドベースのリソースを通じて複数のユーザーとデータ共有ができるようにしました。従来のマッピング方法と比較して、Bentleyのアプリケーションを使用した高速モバイルマッピングでは、コストを2,600万シンガポールドル節約し、データの取得と処理の時間を1年短縮できました。このデジタルソリューションによって、データの可用性が50%向上し、データを正確に抽出できるようになったほか、さまざまな計画の立案に使用できる共同作業型の持続可能なデジタルツインを提供できるようになりました。
ファイナリスト
AEGEA
ブラジル最大の3D公衆衛生マップ(リオデジャネイロのデジタル化)
場所: ブラジル、リオデジャネイロ
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、iTwin、LumenRT、MicroStation、OpenBuildings、OpenCities、ProjectWise
画像出典: Aegea
プロジェクト概要
インフラインテリジェントプログラムは、ブラジルの13の州に散在するAegeaの構造物についてデジタル3Dマップを作成し、Aegeaの衛生業務に関連するすべての物理的な資産を特定および検証することを目的としています。このデジタル化プログラムの一環として、Aegeaは自社最大となる資産登録プロジェクトをリオデジャネイロで実施しました。それには、2万9,000を超える物理的な資産と、1,317か所の工場、また21万1,000件の測量を把握して統合する必要がありました。さまざまなエンジニアリング分野からの70人の専門家によってプロジェクトを実施するために、同社は統合されたBIMおよびリアリティモデリング技術を必要としていました。
同社は、ContextCaptureとBentleyのオープンモデリングアプリケーションを利用して、ドローンで撮影した合計15万6,000枚の写真を処理し、3Dリアリティメッシュとデジタルツインを生成しました。仮想現実環境を作成することで、資産や工場の情報をリアルタイムで取得し、機器の健全性や運用状況を監視できるようになりました。このため、衛生資産のライフサイクルをデジタルで管理して、パフォーマンス、サービスの可用性、信頼性を最適化できました。3Dデジタルソリューションは、リスクの軽減と運用効率を保証することに加え、Aegeaの衛生ネットワークの最新鋭化を促進しています。
ファイナリスト
HDR
マレーダムの状態評価
場所: 米国、カリフォルニア州、サンディエゴ郡
プロジェクトプレイブック: AssetWise、ContextCapture、ContextShare、iTwin、LumenRT、MicroStation、ProjectWise
画像出典: HDR
プロジェクト概要
マレー貯水池には、4,644エーカーフィートの水を保持するダムがあるため、ダムの大きな故障は下流にある地域にとって壊滅的なものとなります。市は、HDRを採用して、ダムの状態を高解像度の写真で記録させることにしました。ダムは高さ100フィートを超える複雑な構造をしているために、検査面で課題があり、複数の方法でデータを収集する必要が生じました。HDRは、デジタルツインを生成しようと考えていましたが、それには複数のソースから収集したデータを統合して処理できる柔軟性を備えた共同作業型の技術が必要でした。
同社はContextCaptureを採用し、ドローンで撮影した画像と地上のLiDARポイントクラウドを処理して、3mmの精度で3Dリアリティモデルを作成しました。そして、MicroStationにモデルをインポートし、人工知能を統合することで、デジタルツインを生成しました。このデジタルツインを使用してデジタル検査を行い、ロープアクセスの検査作業を補ったり、将来の問題を予測するための解析のベースラインとしたりしています。Bentleyのアプリケーションにより、危険なオンサイト検査の必要性を減らし、従来の検査プロセスと比較してコストも大幅に削減できました。デジタルツインは、ダムでの検査作業の品質、安全性、持続可能性を向上させるために、引き続き活用されることになっています。
上下水道
受賞プロジェクト
Jacobsおよびシンガポール公益事業庁(PUB)国立水道局
トゥアス水再生プラント(TWRP)
場所: シンガポール、トゥアス
プロジェクトプレイブック: MicroStation、OpenBuildings、OpenPlant、OpenRoads、Orbit、ProjectWise、SYNCHRO、iTwin、LumenRT/Omniverse
画像出典: Jacobs
プロジェクト概要
シンガポール国立水道局(PUB)では、水の最大限の回収およびエネルギー消費の削減を目的とした工業排水および生活排水処理施設として、最先端のトゥアス水再生プラント(TWRP)を建設しています。Jacobsは、17の契約パッケージにわたるデジタル情報の管理と統合を含め、設計と建設の管理を担っています。同社は、世界水準のデジタルデリバリを実現したいと考えていましたが、膨大なデータと多数の分野を調整して管理するという課題に直面していました。以前のソフトウェアパッケージは効果的でないことが判明したため、共同作業型の統合モデリングが可能な、クラウドベースのデジタルプラットフォームを探していました。
JacobsはBentley iTwinプラットフォームを採用しました。Webベースのデジタル環境と信頼できる唯一の情報源を構築することで、デジタルツインへのリアルタイムでのアクセスを実現し、複数の関係者がBIMとデジタルトランスフォーメーションを活用できるようにしました。このソリューションによって情報の抽出を自動化したことで、エンジニアリングの質、効率、コラボレーションを向上させることができました。連携されたデジタルプラットフォームの確立は、建設やプロジェクトデリバリの強化とデジタル機能の最適化につながり、ワークフローが合理化されました。デジタルツインにより、デジタル資産管理にシームレスに移行して、運用とメンテナンスが行えるようになります。
ファイナリスト
L&T Construction
Nadaprabhu Kempegowda Layout(NPKL)の上下水道開発および管理
場所: インド、カルナータカ州、バンガロール
プロジェクトプレイブック: OpenFlows、STAAD
画像出典: L&T Construction
プロジェクト概要
動的で持続可能なNPKLタウンシップを作成する取り組みの一環として、バンガロール都市開発局は、統合型地域開発プロジェクトに着手しました。配管系を通じた3,032世帯向けの飲料水の供給、下水の回収、および水再生のネットワークなどがその対象です。L&T Constructionは、10年間にわたって、設計、建設、試運転、運用およびメンテナンスを担当しています。同社は、厳しいスケジュールに加えて、制約のある建設エリアや、多数の分野にまたがる作業に取り組んでいました。また、プロジェクトには、住宅サービスを広範囲に連携させ、制約のある同一エリアに複数の上下水道を敷設することも含まれていたため、従来の方法では、時間がかかり、不正確な結果しか得られず、設計や実行の段階で手直しが多くなるという結論に至りました。そこで同社は、統合型の水理および構造モデリングソリューションを必要としていました。
上下水道ネットワークを確実に最適化するために、L&TはOpenFlowsとSTAADを利用して、複数の水力動作シナリオのモデル化と解析を行いました。また、125のそれぞれの構造物について構造設計と解析を行いました。Bentleyの統合型テクノロジソリューションは、エンジニアリング工数を40%削減しただけでなく、手動プロセスで9か月かかっていたエンジニアリング作業を6か月で完了するのにも役立ちました。共同作業型のデジタルワークフローを確立することで、クラッシュを回避し、やり直しを最小限に抑えることができたため、生産性が25%向上しました。デジタル監視システムの導入によって、運用やメンテナンスをリモートで行う機能を実現でき、スマートな上下水道管理につながります。
ファイナリスト
MWH Treatment(J Murphys & SonsとAdvance Plus Framework共同事業の1部門)
Burnley WwTW資本投資プロジェクト
場所: 英国、バーンリー
プロジェクトプレイブック: SYNCHRO
画像出典: MWH Treatment(J Murphys & SonsとAdvance Plus Framework共同事業の1部門)
プロジェクト概要
United Utilities Water Companyの一事業であるバーンリー下水処理場のプロジェクトは、現在の用地の能力向上、厳格化した規制基準への準拠、英国北西部の人口増加に対応するために開始されました。厳しいスケジュール、コスト、用地上の制約により、それまでの技術では対応できない課題が調整や物流の面に生じていました。プロジェクトの共同事業チームは、設計、加工、製造、組立作業にデジタルで対応してまとめ上げることで、現場での作業時間を減らし、健康および安全上のリスクを最小限に抑えたいと考えていました。作業を最適な段階に分けて、デジタルリハーサルを行うには、4D建設シミュレーション技術が必要でした。
チームはSYNCHROとインタラクティブな現場安全誘導ソフトウェアを利用して、4D建設モデルを生成し、段階的なワークフローを視覚化してサポートしました。モデルを使用して毎月デジタルリハーサルを行うことで、プログラムを見直し、プロジェクトの進行状況の全体像を把握しました。統合型デジタルソリューションにより、先を見越した物流管理とインタラクティブでインテリジェントなワークフローが容易に行えるようになったことで、8週間の時間短縮と、8万英ポンドのコスト節約を実現できました。4Dモデルはデジタルツインとして機能し、意思決定を十分な情報に基づいて行うことができます。また、運用やメンテナンスに利用できるようにクライアントに提供されることになっています。
2022年度の創業者賞受賞者の皆さん、おめでとうございます
創業者賞は、Bentley Systemsの創設者が個別に選出し、世界経済と環境の両方を維持しながら世界のインフラストラクチャを進歩・進化させるという使命を持った弊社が感銘した、一部のプロジェクト、個人、および組織に贈られます。