執筆者:Rodrigo Fernandes、ES(D)G担当ディレクター
BentleyのES(D)G担当ディレクターであるRodrigo Fernandesが、持続可能性ソリューションに対するBentleyのアプローチに関する質問と、ユーザーの持続可能性目標の達成に向けてBentleyが提供するサポートについての質問にお答えします。
Bentleyの関係者から、ES(D)Gやハンドプリントについてのお話を聞きました。ES(D)Gとは何か、ハンドプリントとは何か、そしてそれがBentleyユーザーである私にとって重要である理由について、説明していただけますか。
気候変動の脅威が高まり、前例のない変革を迅速に実行する必要に迫られている今、将来を見据えたインフラの構築は、人類と地球を保護するために重要な役割を果たすとBentleyは認識しています。Bentleyでは「ES(D)G」の頭字語を使用して、持続可能性関連ビジネスの2つの重点分野を表現しています。
まず、企業が環境、社会、ガバナンス(ESG)の目標を論じるとき、「E」は企業の環境フットプリント、つまり組織が地球に及ぼす影響を測定することを主に表しています。Bentleyにとっては、会社としてのフットプリントを削減する方法を継続的に探すという意味になります。
次に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)では持続可能な成果に重点を置き、企業方針の枠組みおよび創造性ならびに目的を示しています。Bentley関係者にとって決定的に重要なことは、Bentleyの最も重要な社会的貢献はインフラストラクチャのデジタルツインソリューションを通じてSDGsを推進し、ユーザーが優れた持続可能性、予測可能性、そしてレジリエンスのある成果を実現できるよう支援することであると、認識し続けることです。
私たちはESGとSDGという2つの頭字語を組み合わせて、ES(D)G、つまり「持続可能な開発目標の推進」というコンセプトを生み出しました。これは私たちの目的を反映しており、Bentleyのソフトウェアとサービスの環境ハンドプリント(差し引きプラスの影響)に注目を促すものです。ES(D)Gは私たちにとって、今後10年の戦略的最優先事項です。こちらのWebサイトでは、Bentleyのハンドプリントの実例として、Bentleyユーザーが作業中のインフラプロジェクトを通じて国連SDGsにどのように対応しているかを示す2022年の優れた事例を取り上げています。詳細については、2022年度のESGレポートおよびESG概要をご覧ください。
インフラストラクチャのデジタルツインは持続可能性とどのように関係していますか。
中長期的な脱炭素化と気候変動対策を成功に導くためには、革命的なテクノロジとイノベーションが必要です。しかし、このような革命的な進歩を促進するために全世界で科学技術に積極的な投資を行う必要がある一方で、今すぐに成果を上げ始めることも求められています。
迅速な目標達成は、持続可能性の原則、つまり循環性、効率性、再生可能材料の多様化などを優先することで実現できます。インフラストラクチャのデジタルツインは、このような持続可能性の原則を総合的に取り込むための最も効果的な手段の1つです。IoT、AI、数値モデル、Webサービス、クラウドコンピューティング、没入型可視化などの利用可能なテクノロジを巧みに組み合わせることで、持続可能性の原則を円滑に推進できます。このすべてが組み合わさることで、すべてのレベルでパフォーマンスが劇的に改善されます。
つまり、インフラストラクチャのデジタルツインソリューションは持続可能な開発と密接に関連していると言えます。これは、SDGsの達成と気候変動対策の推進のための重要なステップであり、「二重の移行」(デジタル化と持続可能への移行)を早めるためには欠かせません。
当社は、野心的なESG戦略と積極的なネットゼロ目標を定めました。このような当社のESGパフォーマンスを高める目標の達成に向けて、多くのサプライヤやパートナーに協力を求めています。当社がBentleyのソリューションを導入した場合、どのようなメリットがありますか。
ベントレー・システムズのすべてのユーザーは、操業に必要なフットプリントを継続的に削減するという当社のコミットメントを信頼していただいてかまいません。ベントレー・システムズは最近、世界標準の認定団体であるSBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)にネットゼロ目標を提出し、信頼、企業、気候の目標設定において、非常に高い野心的目標を掲げました。しかし、当社自体のフットプリントを最小限に抑えることは、すべての市民、組織、さらに国にとって重要ではありますが、当社が人類と地球に対して行っている最も独自で重要な貢献は、当社の膨大なソリューションの数々です。
Bentleyのソリューションを利用することで、インフラストラクチャの脱炭素化、効率性と循環性の向上、レジリエンスと資産信頼性の実現、複数の利害関係者とのエンゲージメントの確立、ライフサイクルの全段階における十分な情報に基づいた意思決定が可能になります。たとえば、Bentleyは、ユーザーがクリーンエネルギー容量で少なくとも18~20 GWを発電できるように支援しています。これは、EU域内の2000万世帯に1年間分の電力を供給できる発電量です。
Bentleyはインフラプロジェクトやインフラ資産に関連するエンボディドカーボン、操業時の二酸化炭素フットプリント、環境フットプリントを評価する機能をiTwinテクノロジと結びつける統合ワークフローを構築するために、業界パートナーシップのネットワーク作りに取り組んでいます。
こちらの簡単な図に示している脱炭素化活動、持続可能性の成果、インフラ分野では、全世界のさまざまなユーザーやプロジェクトでBentleyソフトウェア(および関連する業界パートナー)が欠かせない成功要因となっています。